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村田沙耶香『コンビニ人間』読んだ

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村田沙耶香『コンビニ人間』


読んだ。
長くなくて読みやすかった。ほとんど一気に読んだ。



あんまり他人事とは思わなかった。スコップで頭を叩いたりはしないけど。

白羽という男は醜いが、二割くらいはほんとのことを言ってると思った。村社会のことだ。役割があって、それを求められるのは今も昔も変わらない。多数派がいて、少数派を奇異な目で見る。


でも主人公にコンビニがあってよかったと思うよ。コンビニが少数である主人公を多数の側にひらいている。

コンビニができるならスーパーも100円ショップもできるし、ほかの種類の店でも求められるものはある程度は共通するだろうし、ほかにもやれることありそうだけどな。それが状況を変えるかというとアレだけど。

ほんとはやれることがもっとありそうだけど、他に広げていく気持ちがないんだね。ずっと低い地位で同じことを繰り返していて満足している。

仕事に関してはオレもわりとそうだな。でも趣味は他にあってそっちではいろいろやりたいから、そこが主人公とオレのちがうところ。
この主人公はコンビニしかない。


コンビニが宗教になりうるのがひとつの衝撃だ。生き甲斐と平安をもたらしている。
コンビニの「音」のことが何度も出てきた。



印象にのこったのは、人間は周りの人間によってつくられることに意識的なところ。誰かのしゃべり方が、ほかの誰かにうつる。そうして人はつくられていく。
主人公も周りの人間を取り入れながら変化していく。

でも、そうやっていくら周りの人間を取り入れていっても、変わるのは振る舞いだけだ。主人公が「治る」ことはない。学習できる部分とできない部分がある。いくら真似できても、コンビニ以外の場所では周りの人と溶け込めない。言い訳が必要になる。村社会が求めているのは、もっと別のことだ。振る舞いが似ている、以上のことだ。誰にも影響されない感覚をもっていることによって、主人公は男と住むことになる。

あんなに差別的なことを言われたら男に怒ってもいいと思うんだけど、主人公はまったく怒りを感じないらしい。

変な男から主人公を救ってくれたのもコンビニだ。
感動的なおわりかただった。この意識の高さが主人公を守り続けてくれることを願う。

こんなに一生懸命働いて生きている人が、認められない現代社会なんだぞという告発みたいにも読めた。


そのまんまじゃダメだろう、と周りから見えても本人にその気がなければ変わらないよなあ。それこそ白羽の矢みたいなものが運命的に飛んできても変わらない。

ほんとうにダメになるときに、自然と道がひらけるんじゃないかと思うんだけど、楽天的かなあ。そのときにならないと見えてこないものがあると思う。コンビニとの出会いも偶然だったけども、そうやってあらたな出会いもあるんじゃなかろうか。

そうだなあ、男や就職じゃなくても、感覚が近くて心を打ち明けられるような友人ができるだけでも変わってくるとおもうよ。

って、なんか余計なところまで踏み込んでいきたくなってしまうからもう終わろう。




オレに初めて彼女ができたときに母親が喜んでたなあ。そんなことも思い出した。



この本おわり。
んじゃまた。



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プロフィール

工藤吉生(くどうよしお)

Author:工藤吉生(くどうよしお)
仙台市在住。2011年に枡野浩一さんの「ドラえもん短歌」の影響で短歌を始めました。

▽短歌雑誌「短歌研究」「角川短歌」などの読者投稿欄、
▽新聞歌壇「毎日新聞」「日本経済新聞」「読売新聞」「河北新報」
▽テレビ「NHK短歌」
などで作品を発表してきました。

短歌結社「塔短歌会」に2012年から3年間所属していましたが退会し、現在は「未来短歌会」彗星集に所属しています。

▽角川短歌ライブラリ刊行記念「わたしの一首」コンテスト大賞受賞。
▽第57回短歌研究新人賞候補。
▽Eテレ「NHK短歌」年間大賞(2016年3月、佐佐木幸綱選)。

ゴールデンボンバーの歌広場淳さんにツイッターで短歌をほめられたことがあります。

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