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『現代短歌新聞』2017年6月号


その他の短歌の本読む135

『現代短歌新聞』2017年6月号




『現代短歌新聞』は現代短歌社から毎月でている新聞です。中途半端に古いんですが、この号だけ読みました。



澄んでゐる一椀の底にある貝(かひ)を挟まうとして怪(け)しき箸づかひ
/岡井隆「うすき闇の底の沼」

→一面の「現代の作家」は岡井隆さんと尾崎左永子さん。
箸で貝をうまく挟めない。どちらかというと箸が悪役みたいだ。



長き髪ひきずるごとく貨車ゆきぬ渡橋をくぐりなほもゆくべし
/葛原妙子『飛行』

こはれたる義歯(いれば)をもちて信号をわたり小路をふたつ入り来ぬ
/片山貞美『すもも咲く』

どんどん移動する歌にふたつ丸をつけた。この良さはなんだろう。入れ歯が、それもこわれている入れ歯が歩き回ってるみたいだから楽しいのか。



拳銃のようにリモコン向ける手が世界を変えてゆく窓の中
/山田航「ふるさとだった」


ナイフかと思う角度にケイタイを持ってこちらへ来る中学生
/小川佳世子『ゆきふる』

→作品特集「北海道の歌人」から。小川さんの歌はナイフとケータイで、山田さんの歌は拳銃とリモコン。普段使うものを凶器に重ねることで緊張感がもちこまれる。
「窓の中」って、自分は窓の外からそれを見ているものとみた。窓の外と内側の関係と、画面の外と内側の関係。



夫にもと二本つづけて押ししかば取り出し難し自販機のお茶
/西谷佐和子

→読者歌壇から。自販機あるあるでもあり、夫がいなければ気楽だと遠回しに言っているようでもある。



というわけでこの新聞おわり。

んじゃまた。



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プロフィール

工藤吉生(くどうよしお)

Author:工藤吉生(くどうよしお)
仙台市在住。
2011年に枡野浩一さんの「ドラえもん短歌」の影響で短歌を始めました。

「未来短歌会」所属

Eテレ「NHK短歌」年間大賞(2016年3月、佐佐木幸綱選)

第61回 短歌研究新人賞 受賞(2018年)

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