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『短歌研究』2019年5月号  ~花に溺れて、ほか

総合誌読む 135


短歌研究 2019年5月号



表紙からしてなかなか古典の色が濃い内容なんですが、そうでもないと古典について触れる機会がかなり少ないので、勉強と思って読みました。




水泳の苦手なわれは夢のなか花に溺れてワッと目覚ます
/栗木京子「鈴振るやうに」

→夢の歌ってけっこう好きでわりと丸をつけます。
水泳の得意不得意が夢のなかにまで影響している。花のなかでも水泳のスキルがものをいうようだ。得意だったら目覚めることなく泳いでいたろうか。



青空よミスを重ねし人間がAIに面罵さるる日来るや
/栗木京子「鈴振るやうに」



びっくりと言って頭上に栗の絵を思い浮かべている女子会で
/武田穂佳「エンジェル」

→「びっくり」と言ったってことは、びっくりしている自分を自分で把握できているので、ほんとに驚いてるのとはちょっと違うんだろうね。しかもそのことじゃなくて栗のこと思い浮かべてるし。この栗は実物じゃなくて絵なんだね。

ノートに丸をたくさん書いて怒られた中学校の晴れていた外
/武田穂佳「エンジェル」

→怒られたってことは教室で授業している。外が晴れていてたくさんの丸っていうと、シャボン玉みたい。
丸を書いてるし、外が晴れてるっていうし、この歌もその場からちょっと外れている歌だ。上の空な歌ふたつに丸をつけていた。



身をのべてまた身を折りて思ふなり棺よりややベッドは広し
/稲葉京子『紅を汲む』

手足なきものはつくづくさびしけれましてキャベツのまなこなき貌
/稲葉京子『紅を汲む』

「稲葉京子全歌集」を読む特集があった。60代から晩年の歌がおもしろく感じた。



眠りゐし黒猫が起(た)ちてゆきたればその下に繊(ほそ)くありたる亀裂
/真鍋美恵子『玻璃』



店頭のテレビのプロレス見る吾らクラクションにも道開けざりき
/小野雅敏『アルゴンキン』



ガラスへとぶつかったあと目を覚ましきっと何度も忘れるメジロ
/くろだたけし

→「うたう★クラブ」から。



丸をつけたのはそういう歌でした。

この5月号では歌集評を3ページぶん書きました。

この本おわり。
んじゃまた。



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noteのほうでは、ブログでは読めない内容の記事をたくさんアップしています。




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プロフィール

工藤吉生(くどうよしお)

Author:工藤吉生(くどうよしお)
仙台市在住。2011年に枡野浩一さんの「ドラえもん短歌」の影響で短歌を始めました。

▽短歌雑誌「短歌研究」「角川短歌」などの読者投稿欄、
▽新聞歌壇「毎日新聞」「日本経済新聞」「読売新聞」「河北新報」
▽テレビ「NHK短歌」
などで作品を発表してきました。

短歌結社「塔短歌会」に2012年から3年間所属していましたが退会し、現在は「未来短歌会」彗星集に所属しています。

▽角川短歌ライブラリ刊行記念「わたしの一首」コンテスト大賞受賞。
▽第57回短歌研究新人賞候補。
▽Eテレ「NHK短歌」年間大賞(2016年3月、佐佐木幸綱選)。

ゴールデンボンバーの歌広場淳さんにツイッターで短歌をほめられたことがあります。

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