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「みずつき8」  ~深夜には自分が水風船となり、ほか

短歌の本読む134
「みずつき8」。
千原こはぎさんの企画による、水をテーマとしたアンソロジー。6首の短歌を誰でも投稿できて、それがまとめられている。毎年六月に発行されている。

ここから読めます。
https://t.co/xDQ5pptoRD



ちょっと歌を引きます。




深夜には自分が水風船となりちょっとやそっとで割れそうだ パンッ
/甘酢「水風船」

→夜中になると不安定な気持ちになることがオレにもある。こういう題材の歌を見ると自分だけじゃないんだなと思う。
水風船に例えたのがまず一つ。割れるところまでいったので二つ。



ごまだれを片手にわらうその人のもう片手にぽん酢を持っている
/御殿山みなみ「ぽん酢」

→6首すべてにぽん酢が出てくるのがたのしい。こういうのは好き。花の名前をすべての歌に入れるようなのは時々見かけるけど、ぽん酢はもちろん珍しい。これは4首目。

どういう状況だろう。ごまだれをかけてからぽん酢、という順序が身に付いていて、談笑しながらでも流れるように実行できる人なのかな。



うつむけば泣けてしまえる家路にてこころのぽん酢の蓋は開きおり
/御殿山みなみ「ぽん酢」

→悲しげな歌なんだけど、ぽん酢がどんな意味を持つのか、その蓋が開いてたらだからなんなのか、「こころのぽん酢」ってなんなのか、謎めいた歌だ。
「ぽん」の音がなんといっても特殊だ。ここから楽しげなものが漂っているようにすら見える。



目覚めたら雨あの人が笑ってた夢は嘘でも本当でもない
/みやや「これは夢」

→「目覚めたら雨」で切れるんですね。雰囲気がある。
「嘘でも本当でもない」に物語を感じる。たとえば、あの人は今も笑っているだろうけどそれを見ることはもうない、みたいな。



ということで4首だけですが引いてみました。人体の何割は水、っていうところから発想する歌が多かった気がします。




オレの歌を載せて終わろうかと思いましたが、上にあるURLから読めるのでやめます。

終わります。
んじゃまた。




▼▼▼



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noteのほうでは、ブログでは読めない内容の記事をたくさんアップしています。




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プロフィール

工藤吉生(くどうよしお)

Author:工藤吉生(くどうよしお)
仙台市在住。2011年に枡野浩一さんの「ドラえもん短歌」の影響で短歌を始めました。

▽短歌雑誌「短歌研究」「角川短歌」などの読者投稿欄、
▽新聞歌壇「毎日新聞」「日本経済新聞」「読売新聞」「河北新報」
▽テレビ「NHK短歌」
などで作品を発表してきました。

短歌結社「塔短歌会」に2012年から3年間所属していましたが退会し、現在は「未来短歌会」彗星集に所属しています。

▽角川短歌ライブラリ刊行記念「わたしの一首」コンテスト大賞受賞。
▽第57回短歌研究新人賞候補。
▽Eテレ「NHK短歌」年間大賞(2016年3月、佐佐木幸綱選)。

ゴールデンボンバーの歌広場淳さんにツイッターで短歌をほめられたことがあります。

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