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角川「短歌」2019年4月号 ●特集・穂村弘

総合誌読む 134


角川短歌2019年4月号。

穂村弘特集なので買った。





冬の日に顔をさらして眠りゐし父は丸太のやうな腕組み
/時田則雄「カムイミンタラ」

※「ラ」は小文字




ひとつめの特集は「穂村弘 世界の更新」。印つけたところを書き抜く。

インタビューでの穂村さんの発言から。
「歌のパターンとか、同じ言葉を使っている歌とか、一人の歌人の過去の歌とか、それらを知らなければどんなに鋭いロジックがあっても短歌の批評は書けないから。」

「穂村弘のかばんの中」しっかり見てしまった。他にも総合誌でそういうページがあるけど、見ちゃいけないものを見るようで、ちょっと悪いなーと思いながらも見てしまう。見ていいものしか出してないんだろうけど、それでも。


「眼鏡拭きは無くしやすいとエッセイに書いたところ、トークイベントで大量にプレゼントされた」に人気を感じる。

論考がいくつかある。江戸雪さんの「オリジナリティの強度とは」が特によかった。
「わがままについて」からの引用は読んだおぼえのない文章で、オレは「わがままについて」を読んでないかもしれない……。




お徳用ダブルクリップ22個ここのつ減って春立ちにけり
/さいとうなおこ「物差し」





二つ目の特集は「わたしが考える良い歌」。花山多佳子さんが「短歌が変質していくことへの危機感」について書いていた。
「自然が全く出てこない歌はざらで、出てきたとしても言葉として、観念、アイテムとしてである。意味だけの歌も多い。」
「全体には言葉、観念の世界への志向が強いように感じられる。言葉で人間や身体、物、などの存在を超越していくことに疑問がある。」


以前、「日々のクオリア」で花山周子さんに書いていただいたことを、長いこと気にしているんだけど、たぶん同じことを花山多佳子さんは書いているんだと思う。
https://t.co/xAgg9gTWSg

同じことなんだろうなと思いながら、オレにはどちらもちゃんとはわからないし、どうしていいかもわからない。
オレに書けることをオレなりに書いて、それを見て誰かがさびしくなったり疑問を感じたりしている。



まあ親子で死んで良かったねと煎餅齧りながらニュースに母は
/郡司和斗





「私は歌人のキャリアを信じない。すべての歌人が次の一首に向かう時、ゼロからの勝負だと思う。昨日までどんなにいい歌が作れても、今この瞬間に飛べなければ駄目だ。とても苦しいが、それが表現者だ。」
水原紫苑「次の一首のために」



佐藤通雅さんの「可能なかぎりゼロに」と染野太朗さんの「読者という変化」は、選歌における迷いが書かれている。その真摯な態度に感銘をうけた。



ふた月ぶりの雨よ雨よと待ちいしが嘘泣きほどで止んでしまえり
/勝井かな子「転びかた」



隠し事をしてゐるのでせうくすぐれば炭酸となるあなたの体
/岸並千珠子「菜の花ざかり」



いつのまにか巻末の投稿欄が500回を突破している。40年以上やってるんだ。すごい。
この本おわり。
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プロフィール

工藤吉生(くどうよしお)

Author:工藤吉生(くどうよしお)
仙台市在住。2011年に枡野浩一さんの「ドラえもん短歌」の影響で短歌を始めました。

▽短歌雑誌「短歌研究」「角川短歌」などの読者投稿欄、
▽新聞歌壇「毎日新聞」「日本経済新聞」「読売新聞」「河北新報」
▽テレビ「NHK短歌」
などで作品を発表してきました。

短歌結社「塔短歌会」に2012年から3年間所属していましたが退会し、現在は「未来短歌会」彗星集に所属しています。

▽角川短歌ライブラリ刊行記念「わたしの一首」コンテスト大賞受賞。
▽第57回短歌研究新人賞候補。
▽Eテレ「NHK短歌」年間大賞(2016年3月、佐佐木幸綱選)。

ゴールデンボンバーの歌広場淳さんにツイッターで短歌をほめられたことがあります。

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