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土田耕平『青杉』を読んだ



筑摩書房の現代日本文學大系94「現代歌集」を最初から順番に読むシリーズの五回目。今回は土田耕平『青杉』を読んだ。大正11年刊。第一歌集。作者22~27歳の作品を収録。アララギ。

年譜を見ると、赤彦に師事したとか、このころ療養生活をしていたとか、童話作家でもあるとか書いてある。

小高賢編著『近代短歌の鑑賞77』の土田耕平のところを見ると、大島史洋さんが解説していた。『青杉』が当時ベストセラーだったと書いてある。

https://t.co/5t4jBnJVUj
『青杉』はここですべて読めるようだ。




夕渚人こそ見えね間遠くの岩にほのかに寄する白波/土田耕平『青杉』



たそがれて久しとおもふ砂の上に日のほとぼりのなほ残りたる/土田耕平『青杉』



目をとぢて暫らくむなし天つ日はわが額(ぬか)のへに沁みわたるなり/土田耕平『青杉』



寝ねぎはにふたたび見むとおもひたるみ空の月は雲がくれにし/土田耕平『青杉』

→寝るまえに月を見るなんていいじゃないですか。「ふたたび」ってことはその前にも見ていたわけで。そういう夜の過ごし方。



雨あらく庭の草葉に降りそそぎ降りそそぎつつ今日の日暮れぬ/土田耕平『青杉』
→これも、庭に降ってるのを日暮れまでずっと見ていたみたいだ。「降りそそぎ」を二回言っている。



小鳥二つ逢ひつつ啼けりわがかつて知らぬさきはひをそこに見にけり/土田耕平『青杉』
→これも、すごく見てる感じがした。二羽の鳥が鳴いてたとしても、オレはそこに幸福とかを思うことがないし気にもとめない。でもこの人は深く感じている。



仰ぎ見る夜空しづけししみじみと月の面より光流れ来/土田耕平『青杉』
→さっきも月を見る歌があったけど、これは月から流れてくる光までもをとらえている。「夜空しづけし」もあって、なんともいい。夜の良いところがあらわれている。



なにか言おうとすると「良い」「いいですね」みたいなことばっかりになってしまう。そういう歌集だった。この歌集おわり。





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プロフィール

工藤吉生(くどうよしお)

Author:工藤吉生(くどうよしお)
仙台市在住。2011年に枡野浩一さんの「ドラえもん短歌」の影響で短歌を始めました。

▽短歌雑誌「短歌研究」「角川短歌」などの読者投稿欄、
▽新聞歌壇「毎日新聞」「日本経済新聞」「読売新聞」「河北新報」
▽テレビ「NHK短歌」
などで作品を発表してきました。

短歌結社「塔短歌会」に2012年から3年間所属していましたが退会し、現在は「未来短歌会」彗星集に所属しています。

▽角川短歌ライブラリ刊行記念「わたしの一首」コンテスト大賞受賞。
▽第57回短歌研究新人賞候補。
▽Eテレ「NHK短歌」年間大賞(2016年3月、佐佐木幸綱選)。

ゴールデンボンバーの歌広場淳さんにツイッターで短歌をほめられたことがあります。

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