保坂和志『この人の閾(いき)』を読んだ


保坂和志『この人の閾(いき)』読んだ。新潮文庫。平成十年発行とある。



四つの話からなる。

表題作「この人の閾(いき)」は、芥川賞をとったという。芥川賞のことはよくわからないけど、いつもの保坂さんだなという感想。

男女が対話して、同時に場面が動いてゆく話。犬が出てくるのと、少年とサッカーについて話すのが印象に残った。

久しぶりに会った真紀さんという人との対話が中心。
二人で草むしりとかしている。そこへ犬がよだれたらして邪魔したり、子供がかえってきたりまた出かけたりする。

ラテンアメリカの小説の「村じゅうが微睡んでるような描写」がよかった。



その次の「東京画」がこの本では一番好きだな。うるさい暑い街が舞台で、すずしくなさそうな夕涼みをするおじいさんとか、だんだん店を閉じてゆく商店街がでてくる。やってるのかやってないのかわからない店の話がいい。
後半にシロというやせた臆病な猫がでてくる。



三つ目の「夏の終わりの林の中」はやはり男女の対話が中心で、自然教育園というところを歩きながら主に自然について語られる。

主人公の男が「あしびきの~」の和歌を好きだと言う。
「「長々し夜をひとりかもねむ」という気持ちを出すためにあれだけ長い前置きを必要とする人の心の働きがおかしい」

この本の表紙の木漏れ日は、この作品のイメージなのかな。



「夢のあと」は三人で歩いていく話。海へ向かって歩いて、公園に行ったり幼稚園に行ったりする。案内する笠井さんという人のつかみどころのなさがいいんじゃないか。

野球の話が印象的だった。子供だけで草野球やってた子たちが、大人の監督するチームに喜んで入っていくという話。
オレは歌人なので、短歌に重ねてしまうね。57577で遊んでた人たちが、えらい歌人のやっている結社に自分から入っていく。


そんな感じです。
んじゃまた。



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プロフィール

工藤吉生(くどうよしお)

Author:工藤吉生(くどうよしお)
仙台市在住。2011年に枡野浩一さんの「ドラえもん短歌」の影響で短歌を始めました。

▽短歌雑誌「短歌研究」「角川短歌」などの読者投稿欄、
▽新聞歌壇「毎日新聞」「日本経済新聞」「読売新聞」「河北新報」
▽テレビ「NHK短歌」
などで作品を発表してきました。

短歌結社「塔短歌会」に2012年から3年間所属していましたが退会し、現在は「未来短歌会」彗星集に所属しています。

▽角川短歌ライブラリ刊行記念「わたしの一首」コンテスト大賞受賞。
▽第57回短歌研究新人賞候補。
▽Eテレ「NHK短歌」年間大賞(2016年3月、佐佐木幸綱選)。

ゴールデンボンバーの歌広場淳さんにツイッターで短歌をほめられたことがあります。

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