「短歌研究」2017年5月号を読む  ~笑うと倍!!!!!!!!!!、ほか


短歌研究 2017年5月号。

四月に出た雑誌について感想を書く。だいぶ遅い。
そういえば、6月号の総合誌はどれも買わなかった。「現代短歌」を中心に読んでいこうかと思ったが風向きが変わってしまった。



ケアセンターここは老人ボケ集団まとももゐるぞおい舐めんなよ/岩田正「魔」
→「特集 現代の103人」の最初が岩田正さんだ。少し前までは清水房雄さんだった。こうして入れ替わっていくんだな。
「ボケ集団」も「おい舐めんなよ」も元気なものだ。



夢のなかこちらへお出で、寝る母を引っぱりたれば手のとれにけり/野田光介「菜の花」
→オレは夢のなかで猫の足がとれてしまったことがあるが、オレだけじゃなかったんだな。
高齢の歌人が並ぶページなので、亡くなった母だと思われる。夢のなかで会えた母と、一緒に行こうとしたら手がとれてしまうというのは、悲しい。



寂光院の帰りの道のわかれ道かならず道はわかれてをりぬ/福田栄一『きさらぎやよひ』



いくたびか見し夢にして濁流のしぶきつめたくゐさらひを打つ/真中朋久「みとさぎ」

→これも夢の歌だけど、下の句に濁流のほんものっぽさを感じた。しかし自分と濁流はどういう位置関係なんだろう。そばで背を向けて立っているのか。
起きたらおねしょしてたっていうオチを考えついたけど、まあ余計な想像だ。



ずるいぞと囁く声にさうだねと答へて黒き塀に沿ひ行く/内藤明「メトロノーム」



〈さいてん〉でなくてパピペンだつたなら採点したくなるのだらうか/大松達知「むらグリ」

→パ行にするといろんなものが楽しくなるということが、ありそうだけどほんとにあるのかなあ。たまにそういうハッシュタグあるね。
採点したくないというのが透けて見える、ややくたびれた歌だ。PPAPの流行が関係しているか。




生きているだけで三万五千ポイント!!!!!!!!!笑うと倍!!!!!!!!!!/石井僚一「瞬間最大風速!!!!!!!!!!!!!」
→ネットでは、記号がつづくと勝手な改行をされてしまうことがある。なんなのよ。

この歌はほかのひとも引いてたけど、自分で打ち込んでみたかった。「!」がまず9個あって、次に10個あって、タイトルに13個ある。
三万五千ポイントとかその倍の七万ポイントになにか意味があるわけじゃなくて、とにかくたくさんなんだという、そういう数字なんだと思う。かぞえてはみたけど「!」の数もそうで、これはテンションの高さであって、数に意味はないし、もし考え抜かれていたらオレのなかでポイントが減る。

生きているというそのまんまのことですでにたくさんのポイントがついてて、笑っただけでそのたくさんあるポイントがさらにたくさん増えるというのが、素晴らしい。肯定されてる。
今は知らないけど昔のクイズ番組って終盤にポイントが倍になるんだよ。ポイント倍っていうのは負けかけていた勝負をひっくりかえす可能性を秘めていて、わくわくすることだ。

記号があると、あるいは一字空けでもそうだけど、そこから意味を読み取ろうとするんだよな。「解読」を試みる。
でも石井さんのこの歌に関しては、数字や「!」の数に意味があってほしくない、勢いだけであってほしいという願望をもった。そういうことってなかなかない。






短歌研究詠草で準特選になった。どうでもいいっちゃいいけど、短歌研究詠草で準特選になると目次に小さく名前が載るのね。そういうところをうれしがったりもした。

しばらく前から作品季評に星マークをつけなくなったけど、角川「短歌」では若手の連作を二人が星の数で評価するコーナーが始まっていて、関係ないけどなんかおもしろいかもと思った。



「短歌研究」5月号おわり。
さっきも書いたように、6月号の総合誌は買ってないのでこのブログではやらない。
んじゃまた。



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プロフィール

工藤吉生(くどうよしお)

Author:工藤吉生(くどうよしお)
仙台市在住。2011年に枡野浩一さんの「ドラえもん短歌」の影響で短歌を始めました。

▽短歌雑誌「短歌研究」「角川短歌」などの読者投稿欄、
▽新聞歌壇「毎日新聞」「日本経済新聞」「読売新聞」「河北新報」
▽テレビ「NHK短歌」
などで作品を発表してきました。

短歌結社「塔短歌会」に2012年から3年間所属していましたが退会し、現在は「未来短歌会」彗星集に所属しています。

▽角川短歌ライブラリ刊行記念「わたしの一首」コンテスト大賞受賞。
▽第57回短歌研究新人賞候補。
▽Eテレ「NHK短歌」年間大賞(2016年3月、佐佐木幸綱選)。

ゴールデンボンバーの歌広場淳さんにツイッターで短歌をほめられたことがあります。

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