僕たちだけがおもしろい『ブレスト短歌』を読んだ


前回につづいて、ポッドキャスト「僕たちだけがおもしろい」のプレゼント企画でいただいた本の感想を書く。



二冊目『ブレスト短歌』。


本になってるの知らなかった。ポッドキャストを文字に起こして編集したもの。

イラストのキャラがずっと気になっていた。臓器みたいじゃん、と思ったけどそんなわけないと打ち消して、キャベツだろうと一人合点した。でもよく見たら「BRAIN-KUN」と書いてあった。脳だ。やっぱり臓器だった。


僕おもの企画では、お悩み相談、ググる様、ズコットが好き。ブレスト短歌はそうでもない……と思ったけど読んだら四回吹いた。




他人の短歌の作り方は、なかなか気になる。ブレスト短歌は特殊なゲームだとはいっても、二人の短歌の考え方はあらわれる。線を引いて、自分のやり方と照らし合わせて読んだ。



あらら「意味とかストーリーとか風景とかが先に思いついて、それを無理やり言葉にしていくとかね。たいていそれがいちばんうまくいかないパターン」
「説明的な言葉で埋まっちゃうからあんまりうまくいかないんだよね」
「やっぱり「キーフレーズ」から肉付けしていく方法がわかりやすいのではないかと。」


この「キーフレーズ」っていうのがブレスト短歌のポイントだ。核になるおもしろい印象的な言葉「キーフレーズ」をつくり、そこに肉付けしてゆく。その際、何人かでアイデアを出し合い、紙にメモしてゆく。



オレも自分で振り返るとわりとそうやって短歌を作ってるのかもしれない。歌の断片が降ってきて、それを生かしていく方法。その断片が、それほど気のきいていない場合もあって、そこが違うといえば違うか。



あらら「まず「ブレスト短歌」のときは頭を柔らかくして言葉を出しやすくするための「あたため」の時間を作るんだけど、それは今回は収録前に終わらせています。」

6ページに出てくるこの「あたため」はこれっきり出てこない。簡単にあたためられるなら助かるんだけど……。
オレはどうやってあたためるか、コンディションをつくるかっていうと、歌集を読むか、歌集を書き写すか、外へ出るか、ってところかなあ。
頭のなかに音楽、特にコマーシャルの曲とかが流れて止まらない時なんかは最悪だ。



「アスパラガスが「アストロパラライザーガス」の略」
と書いてあって、とても気になってしらべたが、実際はそうではなかった。Google様が「“アストロパラライザーガス”との一致はありません」とおっしゃった。



「うまく言えそう」
「ひっかかりがないよな、このままじゃ」
「気が利いてる」

といった言葉を口に出しながら作ってるのが、とてもいい。これこそブレスト短歌だなと。ブレインの中のものがおもてに出ている。生まれる前の短歌に作者がかける言葉が文字になっているのが新鮮。




雨の日ポイントの話。

あらら「短歌で困ったときはだいたい「雨の日に」って入れるとそれっぽくなっちゃうんだよ。知ってる?」
「短歌は「雨の日ポイント二倍」だから、ほんとに。」



これは雨に限らずいろんなことに言える。雨にポイントがあるなら、「夕暮れ」にもあるし、「光」にもある。橋にも噴水にもくるぶしにもあるかもしれない。死にもあるかもしれない。


最近、ある短歌のツイキャスで「JKブランド」って言葉を聞いた。
女子高生であることがポイントを上乗せすると。これは連作単位のやつだね。
「雨の日ポイント」は一首単位のやつだけど、連作単位でもそういうポイントアップはあるんだろう。

オレは短歌研究新人賞の候補になったときに、言葉は悪いが「震災ポイント」で候補になったんじゃないかという思いが拭えなかったね。最初の驚きや嬉しさがだんだん落ち着くと、そういう疑念が起こった。
その後どこかの選考座談会で「同じ状況になったからといって誰もが秀歌を作れるわけじゃない」といった発言を読んだことがあって、そうだよそういうことだよと思うようになった。
「ポイント」だけで行けちゃうほど新人賞は甘くないでしょう。……と書いて、ちょっと不安になった。


ポイントっていうのは「あるか・ないか」ではなくて「多いか・少ないか」の程度問題なんじゃないかと感じている。
雨に大きなポイントがあるなら、
雪にもわりとポイントがあり、
曇りや晴れにも少しはポイントがある。




ブレスト短歌の話にもどる。

あらら「入れる言葉がないとき適当に色を入れちゃうこと、あるよね。」
仁尾「ねえよ! そもそも俺、入れる言葉がないときがあんまりない。どっちかというと収まらなくなってる言葉を、どういう言い回しにすれば気持よくキュッと入るかで悩むことが多い。」


二人のちがいがあらわれていて面白いやりとりだ。自分はどっちかな?
入れる言葉がないとき、オレは季節や時間を入れがちだな。朝昼晩、春夏秋冬、何時などなど。あとは、リフレインさせたり、オノマトペ入れたりもするなあ。「ああ」とかで埋めちゃうこともある。
そうか色かー。覚えておこう。

逆に収まらないときもある。ぜんぜん57577に馴染んでいかないの。いかにも無理矢理になってしまう。あれは困る。時間をおくと解決できたりする。




本の感想は以上です。
ポッドキャストはこちらから。 http://bokuomo.seesaa.net/s




▼▼



短歌パトロール日誌【2】4/20-4/23|mk7911|note(ノート)https://note.mu/mk7911/n/n7e733d2bc5cb

短歌パトロール日誌|mk7911|note(ノート)https://note.mu/mk7911/n/nba8232f28b92

短歌と公募と賞金のこと|mk7911|note(ノート)https://note.mu/mk7911/n/n47a017bcce69

2017年3月に発表した/掲載された短歌といただいた選評まとめ|mk7911|note(ノート)https://note.mu/mk7911/n/n1dba7a62c361

短歌に関するbotをつくった|mk7911|note(ノート)https://note.mu/mk7911/n/n7f59d9cbbfeb



工藤の有料マガジン【500円】やってます。






スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

工藤吉生(くどうよしお)

Author:工藤吉生(くどうよしお)
仙台市在住。2011年に枡野浩一さんの「ドラえもん短歌」の影響で短歌を始めました。

▽短歌雑誌「短歌研究」「角川短歌」などの読者投稿欄、
▽新聞歌壇「毎日新聞」「日本経済新聞」「読売新聞」「河北新報」
▽テレビ「NHK短歌」
などで作品を発表してきました。

短歌結社「塔短歌会」に2012年から3年間所属していましたが退会し、現在は「未来短歌会」彗星集に所属しています。

▽角川短歌ライブラリ刊行記念「わたしの一首」コンテスト大賞受賞。
▽第57回短歌研究新人賞候補。
▽Eテレ「NHK短歌」年間大賞(2016年3月、佐佐木幸綱選)。

ゴールデンボンバーの歌広場淳さんにツイッターで短歌をほめられたことがあります。

最新記事
リンク
月別アーカイブ
フリーエリア
カウンター
検索フォーム
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR