斎藤茂吉『ともしび』を読んだ


歌集。斎藤茂吉『ともしび』。

火事の後からはじまる歌集だ。大正十四年から昭和三年。


Thanatos(タナトス) といふ文字見つけむと今日一日(ひとひ)焼けただれたる書(ふみ)をいぢれり/斎藤茂吉『ともしび』



戀にこがれて死なむとすらむをとめごもここの通(とほり)に居(を)るにやあらむ/斎藤茂吉『ともしび』



柱時計ここに焼けけむ齒ぐるまの錆(さ)び果て居るを蹴(け)とばしにけり/斎藤茂吉『ともしび』



たまきはる命をはりし後世(のちのよ)に砂に生れて我は居るべし/斎藤茂吉『ともしび』

さっきも砂と命の歌があった。砂に親しみがあるのか。



をさなごは吾が病み臥せる枕べの蜜柑を持ちて逃げ行かむとす/斎藤茂吉『ともしび』



ならび立つ墓石(はかいし)のひまにマリガレツといふ少女(をとめ)の墓も心ひきたり/斎藤茂吉『ともしび』

今なら「マーガレット」ってところか。青山墓地の歌。



よるふけし街の十字にしたたかに吐きたるものの氷りけるかも/斎藤茂吉『ともしび』



をさなごは「なるほど」という言おぼえて朝な夕なにしきりに使ふ/斎藤茂吉『ともしび』



味噌汁に笹竹の子を入れたるをあな珍(めづ)らあな難有(ありがた)と云ひつつ居たり/斎藤茂吉『ともしび』



朝がれひ旨(うま)らに食へど足いたし諸足いたしかがみがたしも/斎藤茂吉『ともしび』

茂吉と食べ物。ありがたく食べたりおいしく食べたりしている。ミカンは持ち去られている。
さっきの蜜柑の歌は「逃げ行かむとす」だった。茂吉から無事逃げきれたんだろうか。



人だかりの後(うし)ろよりわれのびあがり正岡子規が遺物見にけり/斎藤茂吉『ともしび』




あんまりコメントせずに好きな歌を引いてみた。



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プロフィール

工藤吉生(くどうよしお)

Author:工藤吉生(くどうよしお)
仙台市在住。2011年に枡野浩一さんの「ドラえもん短歌」の影響で短歌を始めました。

▽短歌雑誌「短歌研究」「角川短歌」などの読者投稿欄、
▽新聞歌壇「毎日新聞」「日本経済新聞」「読売新聞」「河北新報」
▽テレビ「NHK短歌」
などで作品を発表してきました。

短歌結社「塔短歌会」に2012年から3年間所属していましたが退会し、現在は「未来短歌会」彗星集に所属しています。

▽角川短歌ライブラリ刊行記念「わたしの一首」コンテスト大賞受賞。
▽第57回短歌研究新人賞候補。
▽Eテレ「NHK短歌」年間大賞(2016年3月、佐佐木幸綱選)。

ゴールデンボンバーの歌広場淳さんにツイッターで短歌をほめられたことがあります。

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