寺山修司『書を捨てよ、町へ出よう』を読んだ


寺山修司『書を捨てよ、町へ出よう』読んだ。角川文庫。昭和50年。 312ページ。

どんな本とも言いがたい、雑居ビルみたいな本だ。
同名の映画の動画(後半しかなかったから後半だけ)を先に見ていたが、それの原作というわけではなかった。短い文章がたくさんある。詩もある。



速さ、男らしさ、無宿、パチンコ、ストリッパー、銃、トラック運転手、競馬、ボクシング、詩、一点豪華主義、自殺学、歌謡曲。
話題は多岐にわたる。どれもおもしろく読める。


上の世代に抵抗する序盤は、マルキ・ド・サドを思い出した。サドは読んでみると意外に理屈っぽいのだ。

歌詞がしばしばでてくるけど、このころは流行歌が人生をあらわしていたんだな。

競馬については長く書かれる。競馬に興味なくてもおもしろく読める。馬の性生活、競争馬の一生など興味深かった。

「ハイティーン詩集」はすばらしい。

自殺学入門は独特だ。生活苦によるような自殺は、自殺ではなく他殺だとして退けられる。





以下、印をつけたところ。数字はページ数。

49
「小さな穴から入ってきた山椒魚が、中で成長して大きくなってしまったら、もう同じ穴から出てゆくことは出来ないし、かといってもう一度、小さなからだに戻ることも出来ません。そこで、“こうなったら、俺にも覚悟がある”といって穴の中で居直る。この居直り方が問題なのです」



192
賭博が、しばしば人の生甲斐となりうるのは、それがじぶんの運命をもっとも短時間に「知る」方便になるからである。女はだれでも、運の悪い女は美しくないということを知っているし、男はだれでも必然性からの脱出をもくろんでいる。



209
私が娼婦になったら
アンドロメダを腕輪にする呪文を覚えよう

岡本阿魅「私が娼婦になったら」




以上。
寺山修司はこれまで現代歌人文庫の一冊しか読んでなかった。ほかの本もいろいろ出ているようなので読んでみたい。






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プロフィール

工藤吉生(くどうよしお)

Author:工藤吉生(くどうよしお)
仙台市在住。2011年に枡野浩一さんの「ドラえもん短歌」の影響で短歌を始めました。

▽短歌雑誌「短歌研究」「角川短歌」などの読者投稿欄、
▽新聞歌壇「毎日新聞」「日本経済新聞」「読売新聞」「河北新報」
▽テレビ「NHK短歌」
などで作品を発表してきました。

短歌結社「塔短歌会」に2012年から3年間所属していましたが退会し、現在は「未来短歌会」彗星集に所属しています。

▽角川短歌ライブラリ刊行記念「わたしの一首」コンテスト大賞受賞。
▽第57回短歌研究新人賞候補。
▽Eテレ「NHK短歌」年間大賞(2016年3月、佐佐木幸綱選)。

ゴールデンボンバーの歌広場淳さんにツイッターで短歌をほめられたことがあります。

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