「三田文學 2017冬季号」を読んだ  ●特集――保坂和志


「三田文學」2017冬季号を買って読んだ。
292ページ980円。
保坂和志さんの特集だったので買った。

短歌以外の文学の雑誌をはじめて買った。
小説もあるし、エッセーもあるし、短歌も俳句も詩のページもある。宗教についても書いてあるし、幅広い。

そういえば、少し前に「現代短歌」の時評でこの雑誌のことが書いてあった。短詩の特集を組んだということで評価されていた。



保坂和志さんの「ある講演原稿」が載っている。原稿なのに講演としてまとまりきらずにプリントの内容にふれられないのとか、おもしろかったな。一週間だけいた見知らぬ女性の話とか。



知らない人が書いた短い小説が載っていたから読んだ。雑誌のなかで小説を読むっていうのがオレにとっては新鮮だった。知らない日本の現代の作家の小説っていうのも新鮮だった。小説って、よく選んで知ってる著者のものばかり読んできた。


桜井晴也さんの「僕たちが語られる時間」を読んだ。一段落に句点がひとつしかなくて、一文がとても長い。段落ごとに視点がかわったりもする。
極端に打たれよわい女性と、それに寄り添う男性がでてくる。地震の話のあたりでひとつ変化する。とまどったが、最後まで読めた。

つまんないと読むのやめちゃうので、最後まで読めたら、それはオーケーなんだと思う。おもしろいとまでは言わないけど。



岡英里奈さんの「瞬間、屈折率100%」を読んだ。
これはおもしろかったな。エロくて。だんだん液体まみれになって現実ばなれしていく。「飯田ちゃん」の情熱がすごかった。

『寝てる間に、無意識にポケットに手を入れるようにパンツに手を入れてしまう癖があって、生理の時には結構悲惨。爪の奥の方で固まってしまった血は石鹸で洗ったところで届かない』
というところに印をつけていた。
おもしろかったところには印つけながら読むんですよ。



保坂和志さんの『TELL TALE SINGS』という連載がある。以下、印つけたところ。

『カフカもベケットもいつか自分の言葉で世界が凍りつくなどの野心はなく、自分は小声で書く、書くとは小声で書くことだ、その小声を聞き取る人がもしいたらその人にだけは届くこともあるかもしれないとだけ考えていた』


そのあとに対談がある。対談で保坂さんが言っている。
『人工知能の時代になったときに、最後に残された人間にできることは祈ることだと思う。祈りほど、合理的でないものはない。』
『聞いてくれないのを承知で祈る。そこが人間の本領だと思う。』



織田作之助青春賞、という賞の発表があった。223作のなかから受賞した小説が載っている。223分の1とは、狭き門だ。
中野美月さんの『海をわたる』という作品。最後まで読めた。外国が舞台で、そこで失恋していて、両親の関係も複雑で、体調も悪くなるし、なんだか心細かった。

小説の感想って何言えばいいのかわかんないけど、読み終えてしばらくたった今になっても頭に残ってたことなどを書きました。
以上です。







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プロフィール

工藤吉生(くどうよしお)

Author:工藤吉生(くどうよしお)
仙台市在住。2011年に枡野浩一さんの「ドラえもん短歌」の影響で短歌を始めました。

▽短歌雑誌「短歌研究」「角川短歌」などの読者投稿欄、
▽新聞歌壇「毎日新聞」「日本経済新聞」「読売新聞」「河北新報」
▽テレビ「NHK短歌」
などで作品を発表してきました。

短歌結社「塔短歌会」に2012年から3年間所属していましたが退会し、現在は「未来短歌会」彗星集に所属しています。

▽角川短歌ライブラリ刊行記念「わたしの一首」コンテスト大賞受賞。
▽第57回短歌研究新人賞候補。
▽Eテレ「NHK短歌」年間大賞(2016年3月、佐佐木幸綱選)。

ゴールデンボンバーの歌広場淳さんにツイッターで短歌をほめられたことがあります。

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