「短歌研究」2017年2月号を読む  ~二日後の自分はいまはどこにいるのか、ほか


「短歌研究」2017年2月号。



アナウンサーは慎重に口を動かせり「高速増殖炉もんじゅ」と言うとき/広坂早苗「山茶花」
→よく聞く言葉だけど口にだしたことはないなあ。たしかに早口言葉みたいだ。慎重さは言葉の内容からもきているように見える。



砂場にはころがり遊ぶ子らがをりパン粉まぶしたやうな姿で/池田はるみ「壁」
→こどもが料理になったみたいでたのしい。ほとんどたのしくて、ほんのちょっとこわい。



赤れんが庁舎見上げるこの時を手の甲に触れ過ぎる風あり/遠藤由季「北緯43度」
→手の甲っていうのが実にささやかで、よくとらえたと思う。
前後の歌に「重ならぬ景をこれからゆく」「一生をかけ悔いる」とあるけど、なにか別れがあったのか。手の甲に感じた風は、つないでいた誰かの手の不在をあらわしているのかもしれない。



風よりも静かに過ぎてゆくものを指さすやうに歳月といふ/稲葉京子『柊の門』
→これも風の歌。風は見えないが、それよりもしずかなものが歳月としてとらえられる。抽象的ななかで、「指さす」の動作がいきている。



サッカー部二人のまわりを外周し幸せでしょうこのままずっと/武田穂佳「もつ鍋の煮える頃」
→特集「相聞・如月によせて」から。
こういう、気になる人に近づけずにいる歌がいいなあ。一人になるのを待ってたりする? でも、この下の句からすると、これ以上の発展を望んでいるわけでもなくて、この外周してる時間が幸せなんだろうなあ。
「まわりを外周し」は言い回しとして大丈夫か。言ってることはわかるけども。



再配達指定といっても
 二日後の自分はいまはどこにいるのか
/林あまり「花柄の首」

→これの前に「時をとらえる―短歌の時間」っていう特集があるけど、この歌は時間の歌としておもしろい。
現在の行動の仕方や選択によって二日後の自分の居場所も変化する。というようなことかなあ?



つぶしたいものがあるのかバスは一回あとずさりをする/高瀬一誌『火ダルマ』



ほかにもいろいろ載っているけど、特に気になったところは以上です。






オレの歌は「うたう★クラブ」でうたう★クラブ賞のところと佳作のところに載っている。短歌研究詠草にも一首載っている。
といっても先月の月刊誌なので本屋にもう置かれていない。なので、今回はここに写しておく。



「うたう★クラブ」
斉藤斎藤選 うたう★クラブ賞

傘持てば雨の激しく降るさまを期待してゆくきょろきょろとして/工藤吉生


佳作★
妄想は百万本の紅い薔薇をバルコニーから見下ろしている/工藤吉生



「短歌研究詠草」
高野公彦選

オレだって本気で怒ることもある!などと思っている時無口/工藤吉生




以前も書いたけど、「うたう★クラブ」への投稿はこれを最後にした。以後は載らない。



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プロフィール

工藤吉生(くどうよしお)

Author:工藤吉生(くどうよしお)
仙台市在住。2011年に枡野浩一さんの「ドラえもん短歌」の影響で短歌を始めました。

▽短歌雑誌「短歌研究」「角川短歌」などの読者投稿欄、
▽新聞歌壇「毎日新聞」「日本経済新聞」「読売新聞」「河北新報」
▽テレビ「NHK短歌」
などで作品を発表してきました。

短歌結社「塔短歌会」に2012年から3年間所属していましたが退会し、現在は「未来短歌会」彗星集に所属しています。

▽角川短歌ライブラリ刊行記念「わたしの一首」コンテスト大賞受賞。
▽第57回短歌研究新人賞候補。
▽Eテレ「NHK短歌」年間大賞(2016年3月、佐佐木幸綱選)。

ゴールデンボンバーの歌広場淳さんにツイッターで短歌をほめられたことがあります。

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