「平成28年度NHK全国短歌大会入選作品集」を読む



「平成28年度NHK全国短歌大会入選作品集」を読んだ。いくつか短歌を引いていく。



百人がよせと言ひたるスマホ買ひつひに真(まこと)の人となりたり/河合正秀
→「百人」を文字通りにとる必要はないのかもしれないが、まあ大勢の人から止められて、それでも反対をおしきってスマホを買ったと。

「真の人」がマジで言ってるのか皮肉なのか、読みきれないところに怖さがあった。本気でスマホをもつことが真の人になることだと言ってるならあぶない。現代にまったく飲まれてしまって自分を失っている。皮肉だとしたら、それでも大勢の反対をおしきって買ったのはなんだったのか。



声なくし筆談の母は「ありがとう」三つも書きて吾を見送る/成島福子



鮭のこと蛙と書いたかも知れず頼む先生!おまけしてくれ/小島孝太郎

→テストのあとに焦る気持ち。わかるというか、懐かしい。これは見逃してもらえないだろうなあ。「!」にすがるような気持ちがこもっている。「鮭と書いてあってくれ!」ではないんだね。



名乗り出ぬ悪意のごとく冷やかにA3用紙が指を切り裂く/竹本賢治「オフィス・ポリティクス」

先ほどの会議の席へ立ち戻り罵声あびせたき冬のゆふぐれ/竹本賢治「オフィス・ポリティクス」

→近藤芳美賞のなかではこれが良かった。馬場あき子さんが「破滅的に暗い」と言っている。



一日を水にほどいて眠りとは絵筆を洗う静かな時間/飯坂友紀子「素描の日々」



以上です。
オレは三年連続で予選落ちしています。くうーっ。






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どこへ向かって表現するべきなのか|mk7911|note(ノート)https://note.mu/mk7911/n/n4fcb83c1b017
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プロフィール

工藤吉生(くどうよしお)

Author:工藤吉生(くどうよしお)
仙台市在住。2011年に枡野浩一さんの「ドラえもん短歌」の影響で短歌を始めました。

▽短歌雑誌「短歌研究」「角川短歌」などの読者投稿欄、
▽新聞歌壇「毎日新聞」「日本経済新聞」「読売新聞」「河北新報」
▽テレビ「NHK短歌」
などで作品を発表してきました。

短歌結社「塔短歌会」に2012年から3年間所属していましたが退会し、現在は「未来短歌会」彗星集に所属しています。

▽角川短歌ライブラリ刊行記念「わたしの一首」コンテスト大賞受賞。
▽第57回短歌研究新人賞候補。
▽Eテレ「NHK短歌」年間大賞(2016年3月、佐佐木幸綱選)。

ゴールデンボンバーの歌広場淳さんにツイッターで短歌をほめられたことがあります。

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