◆工藤吉生(くどうよしお)の短歌まとめ・第二十二期【2016年10-12月】20首

三ヶ月ごとに20首ずつ主な短歌をまとめてます。今回は第二十二回目。2016年10月から12月までの20首です。



工藤吉生(くどうよしお)の短歌
まとめ・第二十二期【2016年10-12月】20首


同人誌「短歌ホリック」の「推し短歌」に参加。角川短歌賞で予選を通過。「せんだい文学塾」の穂村弘さんの回に参加。歌集評が「かばん」に掲載される。「未来賞」の候補に残る。





〈1〉
石ころが海の底へと落ちてゆくさまを思うよ今日のおわりに

〈2〉
三日月の欠けたところに腰かけるみたいにオレを知ろうとするな

〈3〉
108ピースパズルでつくる富士山の頂上ふたつのピースより成る

〈4〉
メガホンを持って応援する者のメガホンの中にある口うごく

〈5〉
自販機のペプシコーラに汗だくの頬で触れたよ青春みたく

〈6〉
注意され、注意されたくないことがわかる返事をしてはずかしい

〈7〉
ソング・フォー・なんにもしたくない夜にスマホを触ってるこの感じ

〈8〉
捨てるのが下手なんじゃなく集めるのが上手いと言ってほしい本棚

〈9〉
「同」という漢字みたいな顔をしたおじさんのいるたこ焼き屋さん

〈10〉
秋が来る 床屋の椅子に重大な秘密があってほしいと思う

〈11〉
スイカ割りをやった記憶は目隠しに覆われていてあの声は父

〈12〉
全力でユリの香りを嗅ぐオレは人間のまま玄関にいる



〈13〉
N君の家が床屋であることをどうして笑ったんだろオレは

〈14〉
まぶしがる顔といやがってる顔の似ていてオレに向けられたそれ

〈15〉
立ち並ぶ夜の桜の一本の一部を特に照らす街灯

〈16〉
うるせえと注意している声だけがオレの耳まで無事たどりつく

〈17〉
何をしても間違っているような夜に縄跳びの音、それも二重跳び

〈18〉
金属が金属を打つ音が五回、六回あってあとは暗闇

〈19〉
母親に今日は三千円貸した春の酸素が鼻から入る

〈20〉
たくさんの子供がしがみついている巨大遊具を正面に立つ





〈1〉現代短歌「読者歌壇」
〈2〉〈9〉読売新聞「読売歌壇」
〈3〉富士山大賞
〈4〉短歌研究「うたう★クラブ」
〈5-6〉未来
〈7〉すっきりソング短歌
〈8〉NHK短歌テキスト
〈10〉うたらばフリーペーパー
〈11〉河北新報「河北歌壇」
〈12〉ネットプリント毎月歌壇
〈13-20〉角川短歌賞予選通過作「ピンクの壁」
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プロフィール

工藤吉生(くどうよしお)

Author:工藤吉生(くどうよしお)
仙台市在住。2011年に枡野浩一さんの「ドラえもん短歌」の影響で短歌を始めました。

▽短歌雑誌「短歌研究」「角川短歌」などの読者投稿欄、
▽新聞歌壇「毎日新聞」「日本経済新聞」「読売新聞」「河北新報」
▽テレビ「NHK短歌」
などで作品を発表してきました。

短歌結社「塔短歌会」に2012年から3年間所属していましたが退会し、現在は「未来短歌会」彗星集に所属しています。

▽角川短歌ライブラリ刊行記念「わたしの一首」コンテスト大賞受賞。
▽第57回短歌研究新人賞候補。
▽Eテレ「NHK短歌」年間大賞(2016年3月、佐佐木幸綱選)。

ゴールデンボンバーの歌広場淳さんにツイッターで短歌をほめられたことがあります。

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