ぬらっ。保坂和志、カフカ、野性歌壇



ぬらっ。


保坂和志さんの『猫の散歩道』を読んだ。短いエッセイがたくさん入っている。
保坂さんがあんまりカフカと小島信夫を推してくるので気になってきた。小島信夫の本はけっこう高い。文庫本で1750円とかだとためらってしまう。カフカを再読してみることにした。


「小島信夫を読まない人の話は迫力がない」とか言われると気になってしまう。それを信じる気になったのは、保坂さんの話に迫力を感じたから。


保坂さんが書いてることはほとんどオレの知らない話だ。刺激的なのは大変いいんだけど、二回り年齢が違うとこんなに共通のものが少なくなるのかと思うとさみしくもある。


カフカについては、オレは一度ひととおり通過している。変身、城、審判、そのほか短編もいくつか読んだ。審判は白黒の映画も見た。


保坂さんは、意味を考える読み、比喩として読むこと、裏読み、勘繰り、そういったものに反対する。カフカは「書かれていることをそのまま」読めと。
『テーマとか意味とかもっともらしい読み方は退屈なのだ。作品一つ一つの個別性が消えて、何種類かに分類可能になってしまう。』



カフカは青空文庫に入っている。オレはほとんど青空文庫でものを読んだことがない。読もうとしたこともあんまりない。
でも今回は「今すぐカフカを読み返したい」ということで読もうとしてみた。

オレが知ってた青空文庫っていうのは、こういうふうに横書きで果てしなく縦に続いていく読みづらいものだ。 https://twitter.com/mk7911/status/808262672579862528/photo/1


青空文庫ビューア
https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.dip.sys1.aozora
ビューアを使うととっても読みやすくなる。
縦書きで、一回さわるとページがめくれるし、字の大きさや背景の色まで変えられる。読みやすいなあ。アプリは便利。
https://twitter.com/mk7911/status/808263892224774144/photo/1

はじめは薄青い背景の色だったのを、好みで黄色っぽくした。字は最初よりすこし大きくした。
「今さら」って感じの話なんだろうけども、求めて探さなければ知らないままでいることは多い。不便だ、と思ったらアプリを探す習慣をつける。

オレでもスマホで便利に本が読めるんだ、ということがなんだかうれしくて、カフカの『変身』を一気読みした。

すこし前に漫画10ページで名作文学を読める本で『変身』を読んだが、そこに描かれなかったことまでいろいろ読めた。

読書ノートを見たら、『変身』を読んだのは1999年だった。
忘れていた部分が多かった。背中にめりこんだリンゴ、手伝い婆さんが「かぶとむしの爺さん」などと呼んでザムザと親しく接してくれるところ、ザムザが姿を見せないように努力しているところ、下宿人が常に三人揃って行動することなど。







野性時代の「野性歌壇」について書こうとしたら先に書いている方がいらした。加藤千恵さんと山田航さんの選で短歌の募集が始まるとのことだった。テーマがある。ウェブから投稿。最初のしめきりは2/28、発表5/12

なんたる星大賞とか石井賞とか毎月歌壇とか、年下の選者に向けて投稿する機会が増えてきたが、雑誌でもいよいよでてきた。
だが短歌をやってる期間の長さではオレのほうがずっと後輩なのだ。
仕事でも年のわりには立場が高くないしな。オレはどこでもそう。

「野性」と「歌壇」は相容れないような気がして、それがちょっとおもしろい。オレはどちらかというと自分を野性ではなくて歌壇に飼い慣らされた側にいると思っている。雑誌で特選がもらえるような方向に寄っていったんじゃないかと。
そういう褒められたがりの目立ちたがりの自分だからこそ、この前ツイートしたような、創作は評価や賞のためのものじゃないという保坂さんの話に撃たれるのだ。
保坂さんに戻ってきた。話がひとまわりした。


保坂和志botから。
風景を再現したいというのは、何か、願望とか欲望というよりも、「悲しみ」とかのような気がする。


小説家にとって小説を書くことが、人生を生きることなのだから、小説とは書きながら自分自身が成長することのできるものでなければならない。出来具合なんて、副次的な問題でしかない。


作品が広く流布するとかしないとか、百年後にも存在するとかしないとか、それら物を数え上げるような考え方が、書く者、描く者、演奏する者つまり何かを 表現しようとする者を表現する行為それ自体から遠ざける。

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プロフィール

工藤吉生(くどうよしお)

Author:工藤吉生(くどうよしお)
仙台市在住。2011年に枡野浩一さんの「ドラえもん短歌」の影響で短歌を始めました。

▽短歌雑誌「短歌研究」「角川短歌」などの読者投稿欄、
▽新聞歌壇「毎日新聞」「日本経済新聞」「読売新聞」「河北新報」
▽テレビ「NHK短歌」
などで作品を発表してきました。

短歌結社「塔短歌会」に2012年から3年間所属していましたが退会し、現在は「未来短歌会」彗星集に所属しています。

▽角川短歌ライブラリ刊行記念「わたしの一首」コンテスト大賞受賞。
▽第57回短歌研究新人賞候補。
▽Eテレ「NHK短歌」年間大賞(2016年3月、佐佐木幸綱選)。

ゴールデンボンバーの歌広場淳さんにツイッターで短歌をほめられたことがあります。

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