「第四十五回 全国短歌大会選歌集」を読む










現代歌人協会主催の第四十五回 全国短歌大会選歌集を読みました。数首だけ引きます。


この大会は、初めて出した時はちょっといい成績だったんですけど、その後は全然だめです。今回も何もなしでした。
特徴としては、五首3000円ということ(こういうのは二首2000円が多いんです)。
あと、選者が15人もいて一人20首を選ぶから入選歌が多くて多様であること、でしょうか。

「全国短歌大会」だけでは同名の大会がほかにあるので、「現代歌人協会主催」と頭につける必要があるのがちょっと面倒なところです。




一本の棒のごときがわが胸に影曳きて立つときをり倒る/小野田裕
→この棒はなんなんだろうと考えさせられます。映像としてはまっすぐな棒が影をひいて立っているわけですが、この影というのに孤独感があります。影があるということは光源もあるのでしょう。



吾は問う動物園に人間の檻がないのは何故だ 答えよ/加藤健司
→こちらへ押してくる力がなんとも強い一首。「吾は問う」で問いであることを宣言し、「何故だ」ときて、「答えよ」とたたみかけます。



庭先のまりを洗えばくっきりと亡き犬「コロ」の歯型現る/松本トシ子



無理なご乗車はおやめくださいと放送でいわれているのはたぶんわたくし/野上卓

→自分が全体に迷惑をかけているときの感覚はなんだかわかる。「無理なご乗車は」までが初句で、二句四句も字余りしている。言葉までが無理な乗り方をしていておもしろい。



夫の言ふ「確実」よりもわれの言ふ「たぶん」ははるかに正確なりし/秋葉祐美子



味のないガムいつまでも噛んでいる十代最後の花火大会/澤田一平

→「味のないガム」は味気ない青春でしょうか。「いつまでも」は未練の気持ち。そこへ花火の華やかさと儚さ。ほろ苦い。




短いですが、このへんで。







生煮えポンデリング|mk7911|note(ノート)
https://note.mu/mk7911/n/n6da1950918b1
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プロフィール

工藤吉生(くどうよしお)

Author:工藤吉生(くどうよしお)
仙台市在住。2011年に枡野浩一さんの「ドラえもん短歌」の影響で短歌を始めました。

▽短歌雑誌「短歌研究」「角川短歌」などの読者投稿欄、
▽新聞歌壇「毎日新聞」「日本経済新聞」「読売新聞」「河北新報」
▽テレビ「NHK短歌」
などで作品を発表してきました。

短歌結社「塔短歌会」に2012年から3年間所属していましたが退会し、現在は「未来短歌会」彗星集に所属しています。

▽角川短歌ライブラリ刊行記念「わたしの一首」コンテスト大賞受賞。
▽第57回短歌研究新人賞候補。
▽Eテレ「NHK短歌」年間大賞(2016年3月、佐佐木幸綱選)。

ゴールデンボンバーの歌広場淳さんにツイッターで短歌をほめられたことがあります。

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