「We」第2号を読む  ~ひかりは光の速さで、ほか


「We」2号。


短歌と俳句の文学誌『We』創刊号を読む  ~垂直なる湖水面、ほか : ▼存在しない何かへの憧れ
https://t.co/YOarjBEo74

「We」についての説明は上の記事を参照。つまり半年に一回でている「短歌と俳句の文学誌」です。
2号では前号評のページがつきまして、ボリュームが増えています。
短歌は「塔」と熊本県の方たちが中心でありまして、オレも「塔」にいた縁で参加しています。

じつはオレはここで、俳句の評のページを任されていまして、一ページを担当しています。その関係で、こちらでの紹介は短歌のみとします。



唇をためらいながら見る夜にひかりは光の速さで進む/鈴木晴香「電話をする時はいつもひとり」
「We」の短歌の部の目玉が鈴木晴香さんだと言っていいでしょう。「特別作品」として自選20首がどーんと掲載されています。
体の一部を指す言葉が多く使われている一連であります。
光の速さがでてくることで、ためらい動けずにいるさまが際立ってきます。光は光らしくしていられるけれど、自分はそうではない。漢字とひらがなの使い分けも効果的です。



地球儀の北極に積む埃あり地軸回せば軽やかに浮く/北辻千展「景色をつぶす」
→地球儀の歌があると、つい丸をつけます。実際の面積の大きさと地球儀での大きさの違いが、二重のイメージを生み出します。
こちらの意志で地軸を回したり止めたりもできるのが地球儀です。



特老は入れば戻れぬ処なり父の便りの文字の乱れき/弟子丸直美「永遠を慕い、家族を愛でる」



夜半ふれしジャングルジムは風の獣 歩くよ、みんな頬を濡らして/浅野大輝「garden」

→ジャングルジムというと昼間に子供がわーわー言って登って遊ぶんですが、もうそういう年ではなく、夜に触れています。その形状から動物に見立てられています。ジャングルジムという獣は、骨ばかりで風が吹き抜けていきます。
夜のジャングルジムを吹き抜ける風に、いわゆるポエジーを感じます。

「歩くよ、」でジャングルジムが歩き出すようでハッとしますが、これは「みんな」が歩くのです。頬が濡れているのは、子供にはもう戻れないことからくる悲しみの涙なのでしょうか。



あかるさが恐ろしいのだあの人の 五本指ソックス履いていそうな/小川ちとせ「Les amoureux au-dessus de la ville」
→オレは五本指ソックスを履いたことないので、どんな明るさなのかちょっと想像できないんですが、想像できないところにまた恐ろしさがあります。
こないだユニクロに靴下買いに行ったら五本指ソックスがあり、この歌を思い出しました。これを履けば明るく恐くなれるかなと。



以上です。


今回から、取り上げる本の表紙を画像としてアップすることにしました。画像があるほうがブログが楽しくなりますし、読者の方がこのブログで取り上げた本に興味をもったときに探しやすくなるかと思います。あるいは、表紙の画像で読んでみたくなることもあるでしょう。



んじゃまた。
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プロフィール

工藤吉生(くどうよしお)

Author:工藤吉生(くどうよしお)
仙台市在住。2011年に枡野浩一さんの「ドラえもん短歌」の影響で短歌を始めました。

▽短歌雑誌「短歌研究」「角川短歌」などの読者投稿欄、
▽新聞歌壇「毎日新聞」「日本経済新聞」「読売新聞」「河北新報」
▽テレビ「NHK短歌」
などで作品を発表してきました。

短歌結社「塔短歌会」に2012年から3年間所属していましたが退会し、現在は「未来短歌会」彗星集に所属しています。

▽角川短歌ライブラリ刊行記念「わたしの一首」コンテスト大賞受賞。
▽第57回短歌研究新人賞候補。
▽Eテレ「NHK短歌」年間大賞(2016年3月、佐佐木幸綱選)。

ゴールデンボンバーの歌広場淳さんにツイッターで短歌をほめられたことがあります。

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