西村賢太『暗渠の宿』を読んだ

西村賢太『暗渠の宿』読んだ。字が大きめで読みやすくて、おもしろかったので一日で読めた。

前半の「けがれなき酒のへど」は、女の子と仲良くなりたいという理由で風俗に通いつめ、いいところまでいくがひどい目にあうという話。

後半の「暗渠の宿」はもっと後の話で、女性と一緒に住む部屋をさがすところから、敬愛する藤沢清造のために高額の出費をするところまで。


他人にたいしてすぐ不信感をいだいて、突っかかっていったり暴力に及ぶところが相変わらずだ。男性でも女性にでもすぐ暴力をふるう。
一方で、藤沢清造という作家に関してだけは無限の敬愛をもっている。

二度でてくる
「この女はもっと私に従順であるべきだと思う」
というのが、主人公をよくあらわしている。
一ヶ所、歌人の尾山篤二郎の名前がでてきて「おっ」と思った。藤沢清造と親交があったという。



二冊・四篇を読んだにすぎないが、どれを読んでも主人公が同じ性格をしている。そして話がそれぞれつながっている。そこにおもしろみを感じた。私小説作家を読むおもしろさというのはそういうところにあるのか。


一緒に住んでる女性が、頼んだのと違うラーメンを買ってきたとか、主人公は固めの麺が好きなのに女はやわらかく作ったとか、でブチキレている。

そういう繰り返しが嫌だとも思わずにおもしろく読んでしまう。なんかこの主人公が好きで。
こういうものを面白がって読んでるとモテなさそうだなと思った。でも、別にモテるために読書しているわけじゃないからいいのだ。
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プロフィール

工藤吉生(くどうよしお)

Author:工藤吉生(くどうよしお)
仙台市在住。2011年に枡野浩一さんの「ドラえもん短歌」の影響で短歌を始めました。

▽短歌雑誌「短歌研究」「角川短歌」などの読者投稿欄、
▽新聞歌壇「毎日新聞」「日本経済新聞」「読売新聞」「河北新報」
▽テレビ「NHK短歌」
などで作品を発表してきました。

短歌結社「塔短歌会」に2012年から3年間所属していましたが退会し、現在は「未来短歌会」彗星集に所属しています。

▽角川短歌ライブラリ刊行記念「わたしの一首」コンテスト大賞受賞。
▽第57回短歌研究新人賞候補。
▽Eテレ「NHK短歌」年間大賞(2016年3月、佐佐木幸綱選)。

ゴールデンボンバーの歌広場淳さんにツイッターで短歌をほめられたことがあります。

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