NHK短歌テキスト 2016年7月号を読む  ~枯葉の音を今も忘れず、ほか

NHK短歌テキスト 2016年7月号

これも一ヶ月遅れですがやっていきます。



せともののひびわれのごとくほそえだはさびしく白きそらをわかちぬ。/宮沢賢治
→さし絵のおかげもあって、とてもイメージしやすいです。
空も枝も、言ってしまえば世界が、こわれやすく傷ついたものに変わります。


わが帰省待ちわぶる母の居るごとくふる里へのバスに瞑(めつむ)りてゐる/開道彰
→「ごとく」で母の不在があきらかになります。バスのなかで目を閉じて、「母」のことを思っているのでしょう。



一度だけ行きしあなたのふるさとの枯れ葉の音を今も忘れず/熊谷純
→なんでもないものが、特別なシチュエーションにより特別なものに変わります。枯葉の音の聞こえるところで、なにか特別なことがあったのだろうと想像します。



木曜の午後の一限幾何学は春夏秋冬いつでも眠い/川崎和明
→時間、時期をあらわす言葉がとても多い歌です。それでいてわずらわしくないのはひとつの技だと思います。
「木曜の午後の一限」でせばまってゆき、「春夏秋冬いつでも」でひろがっていきます。



ひとり泣き暮れて ロボット掃除機がゆっくり帰ってくる夕まぐれ/雀來豆「夏の生活」
→ジセダイタンカから。
ルンバが家出したというのでしょう。しかし帰ってきます。泣いていますが、いったい何があったのでしょう。そこにドラマがあります。
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プロフィール

工藤吉生(くどうよしお)

Author:工藤吉生(くどうよしお)
仙台市在住。2011年に枡野浩一さんの「ドラえもん短歌」の影響で短歌を始めました。

▽短歌雑誌「短歌研究」「角川短歌」などの読者投稿欄、
▽新聞歌壇「毎日新聞」「日本経済新聞」「読売新聞」「河北新報」
▽テレビ「NHK短歌」
などで作品を発表してきました。

短歌結社「塔短歌会」に2012年から3年間所属していましたが退会し、現在は「未来短歌会」彗星集に所属しています。

▽角川短歌ライブラリ刊行記念「わたしの一首」コンテスト大賞受賞。
▽第57回短歌研究新人賞候補。
▽Eテレ「NHK短歌」年間大賞(2016年3月、佐佐木幸綱選)。

ゴールデンボンバーの歌広場淳さんにツイッターで短歌をほめられたことがあります。

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