「みずつき5」を読む  ~夢のなかまでりうりうと、ほか

「みずつき5」を読む。

ツイッターで短歌をやってる人達(いわゆる「短歌クラスタ」)を中心とした、「水」がテーマの合同歌集であります。
もっとくわしく知りたい方は、こはぎさんのブログをどうぞ。
http://kohagi-orz.jugem.jp/?eid=2325




わたくしの夢のなかまでりうりうと真夜中色の雨は降りをり/有村桔梗「みを」
→雨のオノマトペとして「りうりう」はユニーク。どんな雨か、わかりそうでわからない。夢の中に降る雨だから、実際のとはちがう降り方なのかなあ。
「真夜中色」もそう。黒とも違う色なのだろう。立ち止まらせる表現がある。


閉じられた二指の間をこじあけて夏へと誘うビーチサンダル/うさうらら「水圧」
→なるほど、夏の海の解放感のいくらかは足の指がひらいてることによるのかもしれないな。
細かいところから夏のさわやかさを引き出した。


異国から持ち帰られたノオトには雨粒ばかり記されていた/河野瑤「まだ雨を探している」
→雨粒を言語とする国があるかのようで幻想的だ。「ノオト」の表記も異世界を感じさせる。
ただ一連全体を見ると「プチ○○」とか「ストリートビュー」といったカタカナ語もあり、雰囲気がばらけている。


少しくらいわたしの話も聞いてくれ一級河川は名前だけかよ/福山桃歌「川のある街」
→とんでもない八つ当たりで、突き抜けていた。
一連全体を見ると川を大切にしていることがわかる。


まだだれもしらない雨のはじまりを運命線にうけるてのひら/ゆき「みづのうた」
→これからの運命を左右する雨だというのか。なにか起きそうでドキドキした。


言えたかもしれない言葉あったかもしれないあの日 雨がやまない/吉川みほ「水の中から」
→「かもしれない」の繰り返しから、終わったことを思い悩んでいるのがよくわかる。やまない雨は心理的なものでもあるだろう。








オレの出した短歌はつぎの通り。



工藤吉生「泉ヶ池のことなど」


泉区の泉公園内にある泉ヶ池に今朝のしずまり

カモを見る 今押されたらこの池に落下することなども気にして

カモが二羽いてここで写メ。カモが二羽さらに来て四羽になって写メ。

毛づくろいしている池のカモからの絶え間なく出続ける波紋だ

風が出て泉ヶ池にうすうすと恋の予感のようなゆらめき

ここまでは音のない川ここからは音のある川ひかり集めて




「未来」に掲載されたものを構成しなおしました。何人かの方から感想をいただきました。ありがとうございます。



オレの短歌をもっと読んでくださる方はこちらから。
https://note.mu/mk7911
noteに作品をまとめていますのでご覧ください。


んじゃまた。
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プロフィール

工藤吉生(くどうよしお)

Author:工藤吉生(くどうよしお)
仙台市在住。2011年に枡野浩一さんの「ドラえもん短歌」の影響で短歌を始めました。

▽短歌雑誌「短歌研究」「角川短歌」などの読者投稿欄、
▽新聞歌壇「毎日新聞」「日本経済新聞」「読売新聞」「河北新報」
▽テレビ「NHK短歌」
などで作品を発表してきました。

短歌結社「塔短歌会」に2012年から3年間所属していましたが退会し、現在は「未来短歌会」彗星集に所属しています。

▽角川短歌ライブラリ刊行記念「わたしの一首」コンテスト大賞受賞。
▽第57回短歌研究新人賞候補。
▽Eテレ「NHK短歌」年間大賞(2016年3月、佐佐木幸綱選)。

ゴールデンボンバーの歌広場淳さんにツイッターで短歌をほめられたことがあります。

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