NHK短歌テキスト2016年6月号を読む  ~私の初恋はいま、ほか

「NHK短歌テキスト」2016年6月号。
だいぶ遅くなった。



わが生(せい)はかくのごとけむおのがため納豆(なつとう)買ひて帰るゆふぐれ/斎藤茂吉『つきかげ』

ファンファーレ響け深紅の緞帳(どんちょう)よ開け私の初恋はいま/玉川萌

→なんだか全然ちがう雰囲気の歌をつづけて引いた。ファンファーレの歌は「初恋」の二席。
いかにも輝かしい。引き込まれる。初恋っていいな。なんかうらやましい。


頑張りたいかなと思ひますなどと言ふなよ頑張ると言へよ卵よ/阿部功
→「卵」はいまの若い人の意味ととったが、ほんとの卵だったらそれはそれでおもしろい。「頑張る」っ臭い言葉で、思っててもなかなかストレートには言いづらい。


ゆで卵ふたつくらゐの寂しさを残して君はしづかに去りぬ/熊谷純
→つまりどれくらいさみしいのだろう、と思わせる。が、さみしさなんてそもそも計量できるものではないのだ。
真っ白いゆで卵は、そう思って見るとなんとなくさびしい。よく真っ二つになって切断面を見せて置かれていたりもする。


直球の応援だったガンバレと昆布で書いた母の弁当/姉野もね
→母の心を読み取ってしみじみすればよい歌なのかもしれないが、昆布の文字でありながら直球だというのを面白く読んだ。

オムライスふわとろのやつ作るから死にそうなんて言わず踏ん張れ/あんず
→これに感じたおもしろさも、たぶん昆布の歌と同じ種類のもの。



外塚喬さんが「結社誌・同人誌の現在」で結社誌の若手について書いている。
自分の所属以外の結社誌をいくつも熱心に読んでいて、すごいと思った。



会いたさはやがて遠退く人知れず森で朽ちゆく着物のような/立花開「三月の無題」
ジセダイタンカから。会いたい気持ちが森のなかの着物に例えられている。
森の中になぜ着物が放置されているのだろう。何があったのか。そこにドラマを感じた。



さびしさを忘れむためにくりかへしおむすび百円セールを叫ぶ/熊谷純
→また同じ人の歌だ。さっきはゆで卵ふたつくらいの寂しさだったが、こんどは忘れるためにおむすび百円セールを叫んでいる。
さびしさが身近な食べ物とつながっている。うるさい店員も、さびしさのあまりそうしていると思えば許す気になるが……。







オレの歌は一首載った。「短歌de胸キュン」の「もう少しで入選de賞」だった。

題「はげます」 栗木京子選
励ましのつもりで書いた便箋の二枚目の3分の2は愚痴/工藤吉生




んじゃまた。






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プロフィール

工藤吉生(くどうよしお)

Author:工藤吉生(くどうよしお)
仙台市在住。2011年に枡野浩一さんの「ドラえもん短歌」の影響で短歌を始めました。

▽短歌雑誌「短歌研究」「角川短歌」などの読者投稿欄、
▽新聞歌壇「毎日新聞」「日本経済新聞」「読売新聞」「河北新報」
▽テレビ「NHK短歌」
などで作品を発表してきました。

短歌結社「塔短歌会」に2012年から3年間所属していましたが退会し、現在は「未来短歌会」彗星集に所属しています。

▽角川短歌ライブラリ刊行記念「わたしの一首」コンテスト大賞受賞。
▽第57回短歌研究新人賞候補。
▽Eテレ「NHK短歌」年間大賞(2016年3月、佐佐木幸綱選)。

ゴールデンボンバーの歌広場淳さんにツイッターで短歌をほめられたことがあります。

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