「短歌研究」2016年6月号を読む  ~少しずつそしてある夜完璧に、ほか

短歌研究6月号。待ってる人はいないだろうが、遅くなったのをオレは気にしている。



服を着て生まれた人を裸にする、おれにはそれほどのことでした/雪舟えま「柑橘を産む」
→服を着て生まれた人がいるわけなくてイメージの新しさに驚いた。脱がすとなってまた驚いた。裸で生まれた我々はみんなかんたんに服を着るようになるが、その逆はむずかしそう。皮膚を剥ぐようなこともイメージした。
「おれ」と男性的な一人称になっているところからも想像がひろがる。



有害図書のやうな雲だぜ血の色を腹のあたりに染みこませては/佐藤通雅「自動扉」
→「エロ本」と比べて「有害図書」は危なそうな言葉だ。「だぜ」も危なさにつなってくるんだろう。
血のような赤さを含む雲だったんだろう。



少しずつそしてある夜完璧にいふこときかなくなりしエアコン/佐藤通雅「自動扉」
→「完璧」がおもしろい。出来上がったときに使うような言葉だ。
人間と決別したようにも見える。「ある夜」の効果か。



梅雨ふけて思想なき蟇(ひき)のだらしなく裏返りたればわが憎みけり/前川佐美雄『捜神』



最終の息する時まで生きむかな生きたしと人は思ふべきなり/窪田空穂『清明の節』



もう逢へぬ その事がいま秋の空とめどなく広く深くしてをり/砂田暁子『季の風韻』

→逢えない気持ちを感じながらも客観的でもある。
「とめどなく」がいいな。さっきの佐藤通雅さんの「完璧」もだけど、ほんのすこしわかるかわからないくらいにズレた言葉の使い方が歌をおもしろくすることがある。



逆光にシャッター押すをためらひぬ友等の顔の陰影深くて/阿部恵子『累日』
→そういうときって「こっちだとうまく写らないので別の場所から撮りましょう」みたいになるんだが、ためらったところをこの歌は切り取った。
「陰影深くて」は言外になにかありそうだ。友等の顔にただの陰ではないものが含まれているみたいだ。



以上。






オレは短歌研究詠草1首。今年初の1首。

真剣に話していても嘘っぽく見える人がいてカズヨシもそう/工藤吉生

おもいっきり連作にしたんだが、一首目だけに終わった。これだけではさほど意味をなさない。



うたう★クラブは佳作の星無し。

ウゥッとかオオアッだとか得点や失点のたび言うようにした/工藤吉生
→これはそんなに悪くないと自分では思っている。「オオアッ」ってなかなか出てこないやつだと思うんだがなあ。うーむ。




っていう感じです。






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プロフィール

工藤吉生(くどうよしお)

Author:工藤吉生(くどうよしお)
仙台市在住。2011年に枡野浩一さんの「ドラえもん短歌」の影響で短歌を始めました。

▽短歌雑誌「短歌研究」「角川短歌」などの読者投稿欄、
▽新聞歌壇「毎日新聞」「日本経済新聞」「読売新聞」「河北新報」
▽テレビ「NHK短歌」
などで作品を発表してきました。

短歌結社「塔短歌会」に2012年から3年間所属していましたが退会し、現在は「未来短歌会」彗星集に所属しています。

▽角川短歌ライブラリ刊行記念「わたしの一首」コンテスト大賞受賞。
▽第57回短歌研究新人賞候補。
▽Eテレ「NHK短歌」年間大賞(2016年3月、佐佐木幸綱選)。

ゴールデンボンバーの歌広場淳さんにツイッターで短歌をほめられたことがあります。

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