東日本大震災から五年/オレが選んだ震災の短歌25首

東日本大震災から五年経った。


オレの震災体験は、震災直後に書いた。それを再掲する。まだ東日本大震災という名前が定着していなくて「東北地方大平洋沖地震」だったころだ。

東北地方太平洋沖地震 体験記[1]: ▼存在しない何かへの憧れ http://blog.livedoor.jp/mk7911/archives/51863226.html

体験記[2] http://blog.livedoor.jp/mk7911/archives/51863581.html

体験記[3] http://blog.livedoor.jp/mk7911/archives/51863831.html

体験記[4] http://blog.livedoor.jp/mk7911/archives/51864226.html

体験記[5] http://blog.livedoor.jp/mk7911/archives/51865082.html


そのほか震災関連記事。

震災から半年。オレの周りに残る爪痕 : http://blog.livedoor.jp/mk7911/archives/51927366.html

TBC東北放送 DVD 「東日本大震災の記録~3.11宮城~」内容と感想 : http://blog.livedoor.jp/mk7911/archives/51956537.html









ここは短歌のブログなので、短歌でも震災をふりかえってみたい。短歌の総合誌「歌壇」2016年3月号で吉川宏志さんが震災詠100首を選んでいた。

オレも選んでみることにした。

東北の歌人が選んだものがあっていいだろう、ネットで発表されるものもあっていいだろうと思い、今までこのブログでとりあげた歌の中から震災の短歌を25首選んだ。
吉川さんの選は、震災後一年ほどの河北歌壇と朝日歌壇、歌集、震災詠を集めた書籍、が中心となっている。オレは総合誌と塔を中心にして、重複のないように選んだ。





▼工藤吉生が選んだ震災の短歌25首



輪ゴムひとつ握りてをりき何をせむとしたるか午後二時四十六分/相澤豊子
 塔短歌会東北「1099日」


三陸はほぼ壊滅とラジオからその大津波階下に来てる/木村譲
 河北新報「河北歌壇」2011.6.12


宿題はどうすると叫ぶ子供のこゑ大津波のがるる人語のなかに/井上生二
 「短歌研究」2014年5月号


ああこれが夢といふものどこまでも瓦礫の道を歩いてゆきぬ/梶原さい子
 『リアス/椿』


母の遺体確認せしは体育館199番の名札つきをり/荒井裕子
 「歌壇」2012年12月号





裏山へなぜ逃げなかつた 問ふて問ふて問ふてすべなきことをまた問ふ/佐藤通雅
 『昔話』


眩暈か余震かもはや誰にも区別はつかない ただ揺れている/佐藤涼子「記録」
 「塔」2014年7月号


人形に「もうすぐ地震をはるよ」と繰り返す子のひとり遊びは/大口玲子
 『トリサンナイタ』





震災に親を亡くしし少年は映さるるなり涙流すまで/岩﨑秀子
 「短歌研究」2014年12月号


引き続き瓦礫と人が流れますテレビの前でお待ちください/木下龍也
 現代歌人協会 全国短歌大会 2012年


杭のやうに見えてゐたのが人だった。といふこともある。被災写真は。/澤村斉美
 角川「短歌」2012年7月号





あの道もあの角もなし閖上一丁目あの窓もなしあの庭もなし/斉藤梢
 「短歌研究」2012年7月号


信号の黄色に変はりスピードを増してがつんと震災の溝/佐藤和彦
 「塔」2012年11月号


おめでとう言えば小さくウンという三月十一日十三歳の少年/小林則子
 「塔」2014年6月号





(3月11日2時46分)揺り落とされて我々は違ふ世界に来たのではないか/文屋亮「私といふ一本の糸に」
 「玲瓏」83号


半分に切られし虫がまだうごくように日常は続いておりぬ/吉川宏志「ハナニラ」
 「短歌研究」2013年5月号





原発と活断層の因縁話(ものがたり)始まりまするでろれん、でろれん/高野公彦
 角川「短歌」付録 現代短歌アンソロジー 平成26年版


AKB48が走り出す原子炉の爆発を止めるため/穂村弘「ナンバー」
 「角川短歌年鑑 平成28年度版」


フクスィマにいきたくない使徒フクスィマでいきたくない死と うえのえきなう/鈴木博太「ハッピーアイランド」
 「短歌研究」2012年9月号


メルトダウンに最も近いパチンコ屋で浜崎あゆみを2千円打つ/斉藤斎藤「それから絶望感に押しつぶされそうになりながら、いつかやってくる日をひたすら待ちました。」
 「短歌研究」2013年5月号


したうけのそのしたうけのしたうけのさげふゐんぬるッぬるッと被爆す/渡辺松男
 「短歌研究」2013年5月号


2012年2月
くりかえし子にかけやる湯ナイブヒバクガイブヒバク皮膚うらがえしたし/沼尻つた子「水揺れる」
 「みずつき4」


「ただいまの時刻の放射線量をお知らせします」 おい、いま何時なんだ/小林真代「雨降り松」
 「塔」2013年7月号


くうかんはうしやせんりやうくうかんはうしやせんりやうと鳴く鳥はあらずや/本田一弘
 「角川短歌年鑑 平成28年度版」





訪れし仮設住宅に住む人を「仮設の人」と言ってしまえり/三原由起子「地団駄を踏む」
 「歌壇」2013年2月号


なぐさめのための行事に微笑みぬいまだに職なき仮設住まいは/山本司
 角川「短歌」付録「現代短歌アンソロジー」平成28年版


憐憫の貌の真中にそのはなしまたそのはなしといふ眼が並ぶ/高木佳子「夏の藁」
 「短歌研究」2013年8月号


被災地の友らを見舞ひ奉仕して帰るといへど懺(ざん)の心よ/秋葉四郎
 『みな陸を向く』





山頂の鎮魂の鐘打ちたれば津波の更地は谺返さず/大内晋次
 河北新報「河北歌壇」2016.1.17


津波にて海ただよひし裸婦像がホールに立てり傷跡ふかく/岡田紘子
 第三十一回啄木祭短歌大会





以上。

あらためて、吉川さんが100首選んだすごさを感じた。
オレも100首選ぼう、
いやそれはむずかしいから50首、
やってみたらそれもきついから30首、
いやいや……と結局25首になった。
オレの観測範囲の狭さも感じた。


オレは2011年8月に短歌を始め、2012年春から短歌の総合誌を読むようになった。震災後一年間の雑誌・結社誌がごっそり抜けているのは選ぶうえで影響した。
この企画は今朝思い付いて、三時間で20首選をつくり、それから二時間で5首を追加し25首選とした。



んじゃまた。
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プロフィール

工藤吉生(くどうよしお)

Author:工藤吉生(くどうよしお)
仙台市在住。2011年に枡野浩一さんの「ドラえもん短歌」の影響で短歌を始めました。

▽短歌雑誌「短歌研究」「角川短歌」などの読者投稿欄、
▽新聞歌壇「毎日新聞」「日本経済新聞」「読売新聞」「河北新報」
▽テレビ「NHK短歌」
などで作品を発表してきました。

短歌結社「塔短歌会」に2012年から3年間所属していましたが退会し、現在は「未来短歌会」彗星集に所属しています。

▽角川短歌ライブラリ刊行記念「わたしの一首」コンテスト大賞受賞。
▽第57回短歌研究新人賞候補。
▽Eテレ「NHK短歌」年間大賞(2016年3月、佐佐木幸綱選)。

ゴールデンボンバーの歌広場淳さんにツイッターで短歌をほめられたことがあります。

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