平成27年度NHK全国短歌大会入選作品集を読む  ~木と草と墓木と草と墓、ほか

平成27年度NHK全国短歌大会入選作品集。

NHK全国短歌大会入選作品集は、この大会に応募した人みんなに郵送されてきます。応募料2000円+題詠1000円のなかに作品集の代金が含まれているのでしょう。

オレは前回につづき予選落ちで、全くいいところありませんでした。自信作を送ってるんですけどねえ。なので、この作品集のなかにオレの歌はありません。
よく読むと上位にはいい歌がたくさんあるので、そこからご紹介します。



君たちのゲームオーバーとは違う本物のあり七十年前/毘舎利道弘



補聴器を外しゐたれば亡き妻の今はの言葉聞きもらしけり/山口啓輔

→これは何度も思い出している歌。そんな悲しい事があっていいのかと。



父を見てどなたですかと言う母に聞こえぬ父がにっこりうなずく/川上恵子



あきらめず治療しますと書きしるす友の賀状よ絶筆となる/森美千瑠

→あきらめなかったのに亡くなってしまうのが悲しい。あきらめてはいないと言っても相当難しい状態なのがわかる文面だ。



去年今年とお化け屋敷にバイトする一つ目小僧の役を勝ち得て/若山巌
→題詠「一」で一つ目小僧がでてくるのがちょっと面白い。
「勝ち得て」ってことは、競争率の高いバイトなんだろうか。珍しいバイトではある。


静寂は身を切るほどに極まりて盤上一手の未だ指されず/浅井克宏
→何も起こっていないようでもそこに戦いが確かにあるんだなと思わせる。ピリピリと緊張感がある。



わが胸にすがる母の身抱きしめて壊れぬように便器に置きぬ/池村真理
→老いた親が赤ん坊のようになるという介護の歌は時々見かける。「抱きしめて」「壊れぬように」といったやさしそうな動作が胸にせまってきた。



特急の窓から見える風景は木と草と墓木と草と墓/笠島光司
→「墓」がいいんだろうな、やはり。家とか田んぼとか、ほんとはもっとほかにありそうだけど、この三つで繰り返してきた。どこまでも続いていきそうだ。
これはジュニアの部。作者は中学2年。



以上であります。
老いとか死の歌が多かったな。



んじゃまた。
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プロフィール

工藤吉生(くどうよしお)

Author:工藤吉生(くどうよしお)
仙台市在住。2011年に枡野浩一さんの「ドラえもん短歌」の影響で短歌を始めました。

▽短歌雑誌「短歌研究」「角川短歌」などの読者投稿欄、
▽新聞歌壇「毎日新聞」「日本経済新聞」「読売新聞」「河北新報」
▽テレビ「NHK短歌」
などで作品を発表してきました。

短歌結社「塔短歌会」に2012年から3年間所属していましたが退会し、現在は「未来短歌会」彗星集に所属しています。

▽角川短歌ライブラリ刊行記念「わたしの一首」コンテスト大賞受賞。
▽第57回短歌研究新人賞候補。
▽Eテレ「NHK短歌」年間大賞(2016年3月、佐佐木幸綱選)。

ゴールデンボンバーの歌広場淳さんにツイッターで短歌をほめられたことがあります。

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