高知新聞「高新文芸」2014年12月1日を読む

高新文芸2014年12月1日。

古い高知新聞をゲットしました。その中に「高新文芸」という文芸欄がありまして、それを読んでいきます。ちなみに高知新聞は二回目です。

ゲットって変かなあ。まあそのー、野菜を包んでいる新聞に短歌の欄があったからいただいてきたのです。
四ヶ月くらい前の新聞であります。



短歌は井上佳香さんという選者。3首に評がついて、それ以外に22首が掲載されています。

投稿者名のうえに市町村名は書いてありますが県名はなくて、投稿者は高知県民であることが前提になっています。
オレが出してる地元の「河北新報」は青森や岩手の投稿者もいるんで、そのへんは少し違うようです。

歯科の椅子倒され口を開けをれば皇帝ダリアが窓より覗(のぞ)く/矢野重雄
→という歌が一席(とは書かれてないけど、最初に載ってるのでそういうことでしょう)であります。
口を開けたら歯科医がのぞきこむはずですから、そこで違うものを出してきたところに意外性があります。
椅子が倒されたことで視界が変化し、皇帝ダリアにのぞきこまれるような角度になったのかもしれませんね。

オレの経験では、歯科の窓にはブラインドがかかっているんで窓の外は見えないんです。それはただのオレの経験なんですが、案外そういう些細なことが歌への入り込みやすさに影響を及ぼしているんじゃないかと思っています。

歯科医院のブラインドの向こうトラックがスライスされて間もなく過ぎたり/相馬好子
塔2013年1月号。
……っというような歌だとすんなり入ってくるわけです。



高知新聞にもどります。
初デート寄り添う位置は左横君に鼓動を聞かれぬように/栗山文子
→全部言い切っちゃってるんで、うまい歌ではないんだろうけれども。
へーそんなことってあるんだと思った。かわいらしい。オレもドキドキしてたこともあったなあ。

短歌からはそんな感じです。



俳句の選者は松林朝蒼さんという方。一句だけ引いてみます。

試着して夫(つま)に見せをり防寒着/坂本スミ子
→二席の句。仲良さそうでいいじゃないですか。
高知も冬は寒いみたいで、高原が雪にかすんでいる写真がある。

俳句に関しては、以前「おーいお茶」の俳句について書いてブログにアップしたとき、作者の方から(やわらかいニュアンスで)全然違うとコメントされたことがあって、あんまり自信ないというか苦手意識がある。



川柳の選者は西川富恵さんという方。

橋の上の犬なに見て吠える十二月/風谷豪
→これが川柳の一席。これに対する選者の【評】がなかなかのものなので全文を書き写してみる。

【評】橋の上で一匹の犬が師走の空に向かって吠えている。今年、「決められる政治」は数に物を言わせて民意に耳を傾ける事もなく重要政策を閣議決定。不評と見るや野党の足元を見透かすようにアベノミクス一本に絞って突然解散、結果は総理の思惑通り一強多弱堅持と相成った。これで民意は得たとして隠されていた大義が堂々と表に出て来るのであろうか、「ウォーン」。

うーむ川柳というのはこう読むものなのか。迎えて読むどころではない。
【評】に与えられた字数が多すぎるような気がする。

次の川柳も、「放課後の書店」とだけ書かれたものに対して【評】では書店の名前を出して閉店を惜しんでいる。どこの書店とも閉店したとも川柳には書かれていないんだがなあ。書かれたことにとどまらず自由に飛躍してニュースに結びつけている。

おもしろいと思った川柳を引いて終わりにします。

ありのままのアナたと暮らしえらい目に/島崎有造



んじゃまた。
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プロフィール

工藤吉生(くどうよしお)

Author:工藤吉生(くどうよしお)
仙台市在住。2011年に枡野浩一さんの「ドラえもん短歌」の影響で短歌を始めました。

▽短歌雑誌「短歌研究」「角川短歌」などの読者投稿欄、
▽新聞歌壇「毎日新聞」「日本経済新聞」「読売新聞」「河北新報」
▽テレビ「NHK短歌」
などで作品を発表してきました。

短歌結社「塔短歌会」に2012年から3年間所属していましたが退会し、現在は「未来短歌会」彗星集に所属しています。

▽角川短歌ライブラリ刊行記念「わたしの一首」コンテスト大賞受賞。
▽第57回短歌研究新人賞候補。
▽Eテレ「NHK短歌」年間大賞(2016年3月、佐佐木幸綱選)。

ゴールデンボンバーの歌広場淳さんにツイッターで短歌をほめられたことがあります。

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