◆工藤吉生(くどうよしお)の短歌まとめ・第十四期【2014年10-12月】20首

【第十四期】2014年10-12月。77首。
短歌研究の特集「新進気鋭の歌人たち」に参加したが、これは初めての総合誌からの原稿依頼であり、報酬のある依頼でもあった。ネットプリントの企画に連作で参加。地元の大学短歌会の歌会にお邪魔した。


〈1〉
のたれ死にしたことがある気がしてる照らされてオレンジの歩道橋


〈2〉
幸せなあちらのオレが今ここのこのオレを思いぞっとする夜


〈3〉
ぱぴぷぺのポップコーンに固いのがあって口からいま出すところ


〈4〉
ああ人は諭吉の下に一葉をつくり英世をその下とした


〈5〉
泣きながら叱ってくれる人は去り笑ってごまかす歯の真っ黄色


〈6〉
お父さんにかまわれたくて怪獣の口のあたりで撫でるテーブル


〈7〉
捨ててあるタイヤのなかに雨水が住んでてわりとちゃんとしている


〈8〉
1988年ファミコンで見た青空を今も愛する


〈9〉
どうしようオレに天使が舞い降りたそして始めた受胎告知を


〈10〉
派出所の前に立ってる警官の動かないまま小雨はつづく


〈11〉
メロディーをつけてあくびをした時の下降しようとするそのちから


〈12〉
怒ってるようなあくびでスカスカな一日は終盤にさしかかる


〈13〉
もうすでに少し歪んだ空き缶の蹴られ慣れてる下腹部ですな


〈14〉
雲と雲と雲と雲との戦乱のまっただなかに電信柱


〈15〉
風景を見てるつもりの女生徒と風景であるオレの目が合う


〈16〉
ほとんどの家に入れずほとんどの人にはオレがただのよそもの


〈17〉
君らのはケンソンだろうオレの場合ほんとにダメなんだよ近寄るな


〈18〉
体型のことを言われてひっこめる腹のそれほどでもない動き


〈19〉
ぼくは汽車、汽車なんだぞー! と駆けてきた子供がオレにぶつかって泣く


〈20〉
「魂の転落」とでも題すべき雲を含んで空暮れてゆく
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プロフィール

工藤吉生(くどうよしお)

Author:工藤吉生(くどうよしお)
仙台市在住。2011年に枡野浩一さんの「ドラえもん短歌」の影響で短歌を始めました。

▽短歌雑誌「短歌研究」「角川短歌」などの読者投稿欄、
▽新聞歌壇「毎日新聞」「日本経済新聞」「読売新聞」「河北新報」
▽テレビ「NHK短歌」
などで作品を発表してきました。

短歌結社「塔短歌会」に2012年から3年間所属していましたが退会し、現在は「未来短歌会」彗星集に所属しています。

▽角川短歌ライブラリ刊行記念「わたしの一首」コンテスト大賞受賞。
▽第57回短歌研究新人賞候補。
▽Eテレ「NHK短歌」年間大賞(2016年3月、佐佐木幸綱選)。

ゴールデンボンバーの歌広場淳さんにツイッターで短歌をほめられたことがあります。

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