「岡大短歌5」を読む  ~春を理由に群れている草、ほか


「岡大短歌5」を読んだ

岡山大学短歌会の本。6月10日発行となっている。



やりたいと思ったことをやる日々の、春を理由に群れている草

時に風 景色を揺らし わたくしの決断を人が過ちという
/川上まなみ「春を理由に」

→やりたいことをする日々は、あるいは孤独なのだろうか。群れている草は上の句とは対比になっていると読んだ。
「時に風」の歌は一字あけが二つあって途切れ途切れに始まるが、三句以降は一本の棒のように完全につながっている。



このこころわたしの中はもうやめてどこかで遠く生きたらいいよ/水嶋晴菜「羊水」
→自分の内側を見つめるような一連で、印象的だった。
自分で自分がいやになるという経験はオレもよくするけど、それともちょっと違うような。



十七のわれが作ったババロアの写真なんかを待ち受けにするな/山田成海「ケイドロ」
→「学年×5」首連作という企画から。いい企画だなあ。部活の練習メニューみたいで。
ということは連作の歌の数でおよその年齢がわかるわけで、「十七のわれ」は何年も前だ。母の歌の次に置かれている。



この兵士は確かこのあと死ぬはずだ故郷の森を語ったあとで/森永理恵「蜃気楼システム」
→二度目に見る映画やドラマならば、こういう思いで視聴することがある。二度目の映画だと言わないからふくらみが出る。
「ディアハンター」にそんな場面があったと記憶しているが、しらべてもよく確認できなかった。



山頂はとても静かな草原でまたここに来てしまい早田君のカミソリシュート

神楽尾まで届け俺のカミソリシュート(ガッツ250消費)
/しんくわ「那岐山」

→岡大短歌5はゲストにぺんぎんぱんつのお二人を迎えている。
キャプテン翼……それもファミコンのじゃないですか! 相手が女子とか大学生とか全然関係なく昔のサッカーゲームの歌がでてくる。
「しまい早田君」というもっていき方もすごい。驚き桃の木山椒の木、当たり前田のクラッカー、みたいなつなげ方だ。


前にも言ったんだけど、相変わらず一首評が山鳥のしだり尾のように長い。800字を超えている。この量では読めない。100字から200字くらいが読みやすい。20字とかでもいいくらい。そのように思って書いているのがオレのこのブログというわけです。




銭湯のシャワーを浴びる友人の背中に来るべき結婚式/山田成海
→岡大は短歌バトルで優勝したんだそうで、そのことが色々に書いてある。オレはそのときの試合は見ていない。
試合は見ていないけどこの歌はおもしろいから、「念人や判者の解説がないと読者に響かない歌である」とは全然思わない。

シャワーを浴びてるときって無防備なんだけども、そんなところに結婚式という、人生のビッグイベントが忍び寄ってこようとは。一体どうなってしまうんだ!!
「来たるべき」をどう読めばいいかに迷う。どんな時でも時間は動いていて、来るべきものは常に近づいていると言えば言える。

「きたるべき」と読んでたけど「くるべき」にも読めると気づいて、なんかわかんなくなっちゃったな。
と思ったら、70ページは「来るべき」で72ページは「来たるべき」の表記になっていた。ネットでしらべても表記が割れている。







オレはあんまり短歌バトルは好きじゃないんだよね。短い時間でセカセカけなし合うのが大変そう。一分間で要領よくディベートできたからって、短歌のなにが優れているんだ。

判が気に入らないというツイートがリアルタイムであふれてきて、いやいやそのためのコメント欄でしょと。短歌バトルがある日は歌人たちのいるタイムラインも見たくなくなる。自分が「ニコ生を見るような人間」であるのを認めたくないあまりにツイッターに書いちゃうのか? 短歌であると同時にニコ生でもあるんだから、ニコ生にいる時くらいはニコ生に合わせたらいいのに。ニコ生見たくないからツイッター見てるんだよこっちは。

あと、過激な単語で勝負しようとする「狙った」歌が出てくるのも嫌なんだよ。
そういう意味では、派手さで勝負しない岡大が優勝したのは良いことだと思う。



とまあ、こういう人もいますよってことで。


んじゃまた。




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#2017上半期短歌大賞 50首 Togetterまとめ https://togetter.com/li/1126231
今年の上半期に読んだすべての短歌から50首選んでまとめました





2017年7月に発表した/掲載されたオレの短歌まとめ|mk7911|note(ノート)
https://note.mu/mk7911/n/n3dc9e6680faa

2017年6月に発表した/掲載された短歌まとめ【25首】|mk7911|note(ノート)
https://note.mu/mk7911/n/n6a0753b5ac49

短歌パトロール日誌【最終回】|mk7911|note(ノート)
https://note.mu/mk7911/n/n41c835707189

2017年6月の出来事についてあれこれ言う【短歌編】|mk7911|note(ノート)
https://note.mu/mk7911/n/n2b8ea3aa7fd3

2017年6月の出来事についてあれこれ言う【短歌以外編】|mk7911|note(ノート)https://note.mu/mk7911/n/n68525cac4bfd

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プロフィール

工藤吉生(くどうよしお)

Author:工藤吉生(くどうよしお)
仙台市在住。2011年に枡野浩一さんの「ドラえもん短歌」の影響で短歌を始めました。

▽短歌雑誌「短歌研究」「角川短歌」などの読者投稿欄、
▽新聞歌壇「毎日新聞」「日本経済新聞」「読売新聞」「河北新報」
▽テレビ「NHK短歌」
などで作品を発表してきました。

短歌結社「塔短歌会」に2012年から3年間所属していましたが退会し、現在は「未来短歌会」彗星集に所属しています。

▽角川短歌ライブラリ刊行記念「わたしの一首」コンテスト大賞受賞。
▽第57回短歌研究新人賞候補。
▽Eテレ「NHK短歌」年間大賞(2016年3月、佐佐木幸綱選)。

ゴールデンボンバーの歌広場淳さんにツイッターで短歌をほめられたことがあります。

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