仙台文学館 開館15周年特別展「石川啄木の世界~歌の原郷をたずねて」に行ってきた

初めて仙台文学館に行ったのだった。緑があって川があって蛙が鳴いていた。3階建て。

オレは石川啄木の展示を見に行ったのだった。一階の食堂に、啄木ランチみたいな期間限定メニューがあった。1030円。まあ普通の弁当で、ビスケットがついてるのだけ印象に残った。結局そこでは食べなかった。

受付が二階。オレよりもだいぶ歳上のお姉さんだが、応対が丁寧だった。
売店にいろいろあった。館長が小池光さんで、月に一回短歌講座をやってるんだが、それを本にまとめたものが面白そうだった。話し言葉のまま収録されていて。
それは買っとけばよかったと後悔している。あとは、展示関係のものが売っていた。

ただで持ち帰れるポスターがあったが、持ち帰りたくなるようなデザインのものはなかった。


文学館の会員を募集していた。有料。入るとお知らせが受け取れたり、展示を見るのに割り引きされる。
会員限定イベントがあって、それは小池光さんの話を聞くものらしい。
何人くらいそんな会員がいるんだろうと思った。
あとは、値打ちがよくわからないツボとかがいろいろあったな。




啄木展は一般700円。
まあよくあるアレですよ。チケット買ってちぎられたりね。うす暗いところで4部構成くらいになってて、最初は啄木の生涯を追いかける展示。資料がガラスケースに入ってて、解説がパネルになってる。まあよくあるアレですよ。

啄木の書いたハガキとか、手紙とか、本とか、ちょっとかわったものではヴァイオリンなんかも展示されていた。

パネルにいろいろ書いてあるんだけど、「こんなの調べればすぐわかりそうなことだな」とか思ってしまった。
まあそれは、その時に頭に入れておく・思い出しておくと展示がより楽しめるものをまとめてあるんだから、検索してすぐわかる内容でも掲示しておく価値はあるんだろう。



で、肝心の展示をみて思ったのは、「啄木って昔の人だなあ」ということだった。啄木を通して昔の日本を見ていると言ってもいい。

まず、字が読めない。解読が困難だ。達筆すぎて読めないのか、下手くそすぎて読めないのか。後者のような気がするが、ほかの文学者の資料もそうなのでよくわからない。

字が下手っぽいんだけど、今の人の下手くそさとは違う。あまり今は見ないような読みづらさだ。

ハガキなんか色あせて茶色い。シミがついたり破れたりしているものもある。
手紙は巻き紙だ。こんなものを送ったり送られたりするのは想像できない。

字の書かれた資料なのに、肝心な字が解読できないので、そのボロボロさや形状にばかり目がいく。



「明星に歌が一首載ったというだけで、盛岡中学を退学し、与謝野鉄幹夫妻を頼って上京。」
ということだが、その明星があった。細か~い活字で片隅に載っていた。こんなのでよく上京したなと思った。

字が読めないってことをさっきから書いてるけど、活字ですら読みづらい。集中力を必要とする。
絵やデザインはレトロな感じ。出版物の表紙やなんかは見てて楽しい。


交流のあったらしい他の文学者のものもいくらか展示されていた。
歌の書かれた短冊があった。吉井勇や原阿佐緒があったと記憶している。掛け軸みたいなのに歌が書かれていたりもした。なんでそういうものに歌を書かなきゃいけないのかがまずわからない。
それらもオレには読めない。

読めないやら意味もよくわからないやら、しかしどうやらありがたい貴重なものらしいということで、いろいろと隔たりを感じたのだった。啄木を愛読しているつもりだったのに。

だから、いかに離れた時代か、ということをとてもよく感じた。現物が目の前にあってそれはリアルなんだけど、しかし全然オレからは遠い。



パネルやなんかで生涯を追いかけると、啄木の生涯っていうのは挫折の連続なんだね。どこへいってもなかなかうまくいかない。展示物と合わせると、そういったことも立体感をもって迫ってくるものがある。

離れてるようなリアルなような、変な感じよ。







あと、常設展にも行った。途中の廊下に工夫があって、異空間にワープするみたいな仕掛けになっていた。

常設展の入り口には、CGとともに小池光さんの短歌がでてくる画面があった。スライドみたいに壁に映像と短歌が映される。抽象的な模様みたいなのが動くCGに「雪に傘~」みたいな文字が浮かび上がっていた。

雪に傘、あはれむやみにあかるくて生きて負ふ苦をわれはうたがふ/小池光



前の館長が井上ひさしさんで、常設展では大きく取り上げられている。ひょっこりひょうたん島だけは知ってた。

あとは、なんかゆかりのある人たちの何かが展示されていた。あんまり知らないんで、サラサラッと見た。



俵万智さんが宮城にゆかりがあって、 「寒いね」と「麦わら帽子のへこみ」の歌の色紙があった。

文学館のホームページに「仙台文学地図」があるんだけど、それの「ベニーランド」のところに「俵万智さんが短歌に詠んだ場所」ってあるの。
もっと調べていたら、ベニーランドの園長がそれに感激しているブログ記事もでてきた。

あの俵万智さん、ベニーランドを詠む? http://t.co/SgJfWK0TLX
仙台のほどよき規模を思うなりほどよく混めるベニーランドで

でもさ、地元が出てくるっていう理由で本を読んだりするかなあ。地元大好きなのか。

常設展見て、あとブラブラして、啄木弁当も食べずに帰った。



五月には仙台文学館に穂村さんがくる。小池光さんと啄木を語るらしい。申し込み期限が迫っていたので急いで往復はがきを買って申し込んだ。「必着」ってなんかいやだね。焦る。
六月の佐佐木幸綱さんのも一応申し込んだ。

文学館のホームページの、穂村さんのイベントのところには
(定員を超えた場合は抽選)
って注意書きが書いてあるんだけど、幸綱さんのイベントには書いてない。定員を超えないという見通しか。

なんていうのはどっちでもいいような細かいことだ。


行ったら面白かったんで、また行ってみたいです。穂村さんのイベント抽選当たりますように。おわり。
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プロフィール

工藤吉生(くどうよしお)

Author:工藤吉生(くどうよしお)
仙台市在住。2011年に枡野浩一さんの「ドラえもん短歌」の影響で短歌を始めました。

▽短歌雑誌「短歌研究」「角川短歌」などの読者投稿欄、
▽新聞歌壇「毎日新聞」「日本経済新聞」「読売新聞」「河北新報」
▽テレビ「NHK短歌」
などで作品を発表してきました。

短歌結社「塔短歌会」に2012年から3年間所属していましたが退会し、現在は「未来短歌会」彗星集に所属しています。

▽角川短歌ライブラリ刊行記念「わたしの一首」コンテスト大賞受賞。
▽第57回短歌研究新人賞候補。
▽Eテレ「NHK短歌」年間大賞(2016年3月、佐佐木幸綱選)。

ゴールデンボンバーの歌広場淳さんにツイッターで短歌をほめられたことがあります。

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