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工藤吉生の短歌55

工藤吉生の短歌55





▼歌のある短歌


ラララララ ラララララララ 字だけでは伝わらないがすごい歌です
(歌のある短歌コンテスト予選通過作)



あの人を呪い苦しめ狂わせて後悔させる歌を教えて
(歌のある短歌コンテスト予選通過作)




▼ドラえもん短歌




もし君が
石ころぼうし
かぶっても
僕は見つける
君だけを見る
(ドラえもん短歌2011 入選)







一方で
ジャイ子はのび太を
あきらめて
漫画を描いた
ずっと一人で





▼震災の短歌



閉め切ったファミリーマートを覗き込む男が去らぬ3.13
(うたつかい 第12号)


震災後二度目の夜にラジオから「こども音楽コンクール」 切る
(うたつかい 第12号)


濁流に飲まれた渡部から聞いたタオルのラクなしぼり方とか
(塔 2013年3月号「題詠四季」)




▼学校の短歌



教室の聞こえよがしの非難から逃げたトイレの壁は冷たい



学級会 トイレでズボンを脱がされた話にみんなで耳すます午後



指されてもわからないから黙ってる「座っていい」しか聞きたくはない



憎しみを社会に向けて人に向け自分に向けてそこで落ち着く




▼ニートの短歌



戦いに行きはしないが深刻なポーズをしてるガンプラとオレ



「死ね」という言葉によって君の持つ説得力が自殺したのだ



安全を求めるうちに狭い方暗い方へと追われる獣





▼女性や恋愛の短歌



愛の裏の裏の裏の裏の裏 きみ守るため握ったナイフ




「こんにちは」「さようなら」という10文字の中から愛を探すしかない




おっぱいがあたる気がしてうっとりと開けた口へとドリル挿入



このオレの入浴シーンを謎として見る猫アリス牝7ヶ月
(ダ・ヴィンチ2012年9月号「短歌ください」)




▼そのほかの短歌



落ちたものフーフーすればまだ食えるフーフーせずに食っても平気



歯についたチョコフレークを指で取りひとりぼっちを謳歌している



30匹いるとされてるゴキブリの残り29匹の幻



組み立てた線路に汽車を走らせる少年の背を陽が包み込む



朝早く自転車こげば誰にでも挨拶をする人が流れる



ブロッコリー並べるオレに歯の抜けた話始める少年がいる
(歌会たかまがはら)



「まっすぐに寝て下さい」と促され寝れば曲がっていて直される
(短歌研究2012年10月号「短歌研究詠草」)



朝起きて「おやすみなさい」のメール見てそれに答える日本語がない



絵日記の中の家族が一列に並んで立って笑うのを見た



殺人をしてしまったら殺人をしてない人に憧れそうだ



帰り道ぴったり揃う歌声がおうちに着いて終わるのがいや



黄色い紙 郵便受けに入ってて読んで捨てたらまたも黄色い



人生をやってることにはなってるがあまりそういう感じではない



戦場に細川たかしの笑い声ハッハッハッドカーンハッハッハッドカーン
(うたつかい 第13号)



消防車を横から洗う消防士 春の夕べのやさしい水で



リセットを押しながら切る電源のように最後は目をつむりたい





うたらばブログパーツ採用作から


解答欄ずっとおんなじ文字並び不安だアイアイオエエエエエエ



眠れるか不安はないかと繰り返す親の手紙のような調査だ



賞味期限過ぎてるものを朝昼晩食べて強気な態度で暮らす



プロ野球選手のカードを集めるがG.G.佐藤ばっかり当たる



ノイシュバンシュタイン城を取り囲む木々もあるいはまた城である



テレビ乗るネコのシッポは短からず垂れてタモリの髪型となる




短歌研究「うたう★クラブ」


太ってる女性が座っていた席に別の太った女性が座る(2012年9月号)



歴史上すべてが大事教科書をキラキラさせる君のイエロー(2013年2月号)



弟の名前が書かれたタオル使い脇や股ぐらしっかりと拭く(2012年10月号)



飛行船彼方に浮けば一日をその影響の元に過ごそう(2013年7月号)



「大嫌い!」と言ったあたりで食べ始めキスするころに終わる弁当(2013年4月号)



ヒョウ柄の強そうな人を後ろから見ているオレの柄はチェックだ
(2012年6月号 うたう★クラブ賞)





結社誌「塔」


シューティングゲームのうまいやつが来て雨粒全てよけて帰った
(2013年1月号)


窓の外見てれば津田が「よしおさん青春してるね」と言い残し去る
(2013年1月号)


何か言う時の形の口をして自分の番を催促してる
(2013年3月号 百葉集)


連絡です工藤吉生さん明日までに必ず検便出して下さい
(2013年7月号)


礼をする角度ビシッと決まってる上司にビシッとした礼くらう
(2013年7月号)




角川「短歌」


ブレーキが雀の声で鳴く朝の長い下りの坂道を行く
(公募短歌館 2013年6月号 秀逸)



電線のわずかなたるみこのくらい余裕がないといろいろつらい
(公募短歌館 2013年7月号 秀逸)



小さな子小さな足をのせている小さな車いすはゆっくり
(角川短歌ライブラリ刊行記念「わたしの一首コンテスト」大賞)



祈っても祈りきれない祈りありコップのふちに蝿うずくまる
(角川全国短歌大賞 秀逸)







2011年の夏に短歌を始めました。見ていただいたように、ネットでのコンテスト、ツイッター、総合誌の投稿欄、結社、と活動の場を広げてきました。

なおこれは、2013年2月の記事 http://blog.livedoor.jp/mk7911/archives/52017535.html を更新したものです。十数首入れ替えてあります。誰かに選ばれた歌、反響のあった歌を優先して入れました。

お楽しみいただけましたでしょうか。お読みいただきありがとうございました。
プロフィール

工藤吉生(くどうよしお)

Author:工藤吉生(くどうよしお)
仙台市在住。2011年に枡野浩一さんの「ドラえもん短歌」の影響で短歌を始めました。

▽短歌雑誌「短歌研究」「角川短歌」などの読者投稿欄、
▽新聞歌壇「毎日新聞」「日本経済新聞」「読売新聞」「河北新報」
▽テレビ「NHK短歌」
などで作品を発表してきました。

短歌結社「塔短歌会」に2012年から3年間所属していましたが退会し、現在は「未来短歌会」彗星集に所属しています。

▽角川短歌ライブラリ刊行記念「わたしの一首」コンテスト大賞受賞。
▽第57回短歌研究新人賞候補。
▽Eテレ「NHK短歌」年間大賞(2016年3月、佐佐木幸綱選)。

ゴールデンボンバーの歌広場淳さんにツイッターで短歌をほめられたことがあります。

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