短歌まとめ【29】 超縛り短歌、「焦」の短歌、ほか

うたつかい5月号掲載歌

百メートル上空にあるあの鐘を鳴らすのはアッコ自慢の拳




順番を示す紙片を左手に仏像になり座る銀行




「海に来た記念に拾って帰ろう」と二人が言うのを聞く欠けた貝





しっぽとか翼だったりするんだろう オレがなくしてきた諸々は





猫様が椅子に座ってらっしゃって余儀なく立たされている俺様





超縛り短歌

どうしよう私欲汚欲よ追う欲よよく浮く毒よ毒々し死よ





「牛食うよ! 大牛食うよ! 塩食うよ! ドシドシ食うよ!」脅しし右翼





口説くウド「土曜しようよ! よし! しよう!」オドオド追うよ大淀市道




動揺し養子空洞応用し雄牛供養し唖置く黄土





唖脅しO氏雄々しく汚毒喰う「しようよ」「(ウウウ)」よく酔うよ、奥





うたらば「焦」投稿作

吸い殻を押し付けられて焦げ痕のついた子猫を抱けば雷鳴




黒焦げになった博士が手に持ったフラスコの底に一滴の解




焦燥を抱えトイレに走ってく君の横顔なんと凛々しく




片恋は大きなルーペきみのこと見つめ続けて心を焦がす




うたらば「音」投稿作

大ホール「4分33秒」の奏者になったごとき緊迫





別れ話され始めるとボツンボツン雑音入るオレの携帯





音量が一体どこまで上がるのか試すテレビのバーは波打つ




近づいてきた足音が通り過ぎひとくち水を飲む死刑囚





初音ミク的な機械を唯一の話し相手にする最晩年




その他

傘立ての色とりどりの雨傘にオレを庇ってくれる奴無し





向かう先向かう先々飛んでくるオレを狙った雨粒ばかり




黄色地に赤く書かれたノーライスノーライフの文字田畑にぽつり





色恋を禁止する人・破る人・晒し上げる人・三位一体





今すぐに激しい揺れに襲われて家が潰れて死ぬかもしれぬ





ぬらぬらとくどうよしおが湧き出でてタイムラインに飲まれてゆけり





カイセイ公園の池にはばあちゃんを近づけるなよ泳ぎだすから





ドラゴンは飲み込めずにいるカステラとかばんと破れかけたかばんを





不器用を正当化するためだけに高倉健のモノマネはある




口臭い人との距離を保とうとしては詰められもう壁際だ





バスに乗りすぐに三つの菓子袋平らげている我が恋人よ






 
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プロフィール

工藤吉生(くどうよしお)

Author:工藤吉生(くどうよしお)
仙台市在住。2011年に枡野浩一さんの「ドラえもん短歌」の影響で短歌を始めました。

▽短歌雑誌「短歌研究」「角川短歌」などの読者投稿欄、
▽新聞歌壇「毎日新聞」「日本経済新聞」「読売新聞」「河北新報」
▽テレビ「NHK短歌」
などで作品を発表してきました。

短歌結社「塔短歌会」に2012年から3年間所属していましたが退会し、現在は「未来短歌会」彗星集に所属しています。

▽角川短歌ライブラリ刊行記念「わたしの一首」コンテスト大賞受賞。
▽第57回短歌研究新人賞候補。
▽Eテレ「NHK短歌」年間大賞(2016年3月、佐佐木幸綱選)。

ゴールデンボンバーの歌広場淳さんにツイッターで短歌をほめられたことがあります。

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