■ブックオフ8店舗の540円以下の歌集すべて買って読んでみた■はじまります


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企画っていうか、今まで聞いたことないような読書をやってみようかと考えている。実行するかわかんないけど、やり遂げたらオレはなかなかの変な人ということになる。

山田航さんが図書館の歌集を「あ」から順番に読んだっていうエピソードを聞いたときから、なんかそういうのやれないかなーって考えてたんです。そこまで大変じゃないやつでなんかないかなと。

「○○してみた」みたいなノリでやってみたい。







2/7

2/5に考えた企画というのは、BOOK・OFFにある歌集を買い占めようというものだった。

しかしいろいろ無理がある。

県内ぜんぶどころか、市内ぜんぶのBOOK・OFFをまわるのもむずかしい。とりあえず一時間か一時間半程度で行ける店舗にしぼった。

予算の問題もある。全然知らない人の歌集一冊にいくら出せるか。
どこで線を引くか考えた結果、540円以下の歌集を対象とすることにした。


■「ブックオフ8店舗の540円以下の歌集すべて買って読んでみた」ルール■

▽個人の歌集のみとする。アンソロジー、合同歌集、共著は含まれない。
▽1ページに6首以上載ってるもの、収録歌数が千首を超えるものは対象に入れなくてよいこととする。これは全歌集や選集のことを念頭においている。
▽同じ歌人の歌集が複数ある場合は、まずはそのうち一冊買って読めばよいことにする。第二回があったらそのときにはすべて買うことにする。
▽読んだことある歌集は買わなくていい。
▽読んだら感想を書く。画像つきでブログにアップする。




それで、店に行き、歌集17冊を買った。
五店舗まわった。ブックオフ柳生店、八本松店、六丁の目店、泉バイパス店、松森店。


ざっと4000円ちょっと使った。

今回おもしろければ年に2-3回やる企画となる。ハズレばかりで苦痛ならばこれっきりとなる。



「企画」「やってみた」ではあるが、案外考えるところのおおいものになるかもしれない。歌集とはなにか、どんな歌集があるのか。
オレ自身の歌集に対する意欲に影響するかもしれぬ。


感想を書くときには、「この本はBOOK・OFFで買いました」なんて書かない。書かなくてもわかる人にはわかるだろうけども、直接そう書くのか間接的に書くかの違いは大きいとみている。




謹呈票が挿まれたまま二束三文で売り飛ばされた歌集を大量に棚に残したまま、音もなく解体されるブックオフ。
と我妻俊樹さんの小説「天才歌人ヤマダ・ワタル」 には書いてある。それらを買って読む。
ブックオフが歌集の墓場ならば、オレは墓荒らしである。


ブックオフで一般書店にはめったに見られないほど歌集の棚が奇妙に充実している
と我妻さんの小説にはあるが、こちらでは5店舗で30冊いかないくらいなので、首肯できない。

ブックオフに歌集が多いというのは、えらい歌人が一度に歌集を手離した場合だ。
オレの近くに歌集のすくない店しかないのは、オレのいる地域にえらい歌人がなかなかいないんだろう。


最近思ったんだけど、謹呈票がはさまってるからといって未読とは限らないよね。オレのところにも歌集を贈ってくださる方がいらっしゃるんだけど、謹呈票って捨てづらい。はさんだままにしておくことがある。







2/8

「もっとたのしいほうに行こう」と人は言うかもしれないが、オレは「それほど楽しくなさそうなもの」から「とても楽しいもの」が出てくるのが好きなので、「それほど楽しくなさそうなもの」のほうに行っちゃうんだな。
それに、あんまりほかの人が読まないものを読みたい。
それで楽しくない思いをいっぱいすることになる。

6店舗目、イオン仙台店に行って10冊購入。







2/9

いろいろ無理して7店舗目、8店舗目のブックオフに行ってきた。はあはあ。
7店舗目の利府店は、初めていく店だった。歌集がほとんどなくて、店にある三冊をすべて買った。

8店舗目の古内店は比較的充実した店で、それでも540円以下の歌集は六冊だった。

これで歌集の買い占めはひとまず終わる。8店で合計36冊。


540円以下の歌集だけ買うという縛りをはずしたら50冊くらいになるだろう。
ただし、それをすると有名な歌人の最近の歌集を買うことになり、あまり面白くない。予算のこともあるし。オレは未知の歌集、得体の知れない歌集を読みたくてこれを企画したんだ。



36冊のうち、謹呈のしおりがはさまってたのが8冊、書店の注文カードがはさまってたのが2冊。思ったより少ない。
箱入りが4冊、ソフトカバー4冊、のこりはハードカバー。

まったく名前を知らない歌人が36人中28人。おお。わくわくする。
奥付やあとがきや著者プロフィールに「宮城」「仙台」がでてくるのが13冊。3分の1は宮城にゆかりがある。




こんなふうにして
「ブックオフ8店舗の540円以下の歌集すべて買って読んでみた」
36冊への挑戦がはじまった。どんな世界が待ち受けているのだろうか。


ちなみに、最寄りの図書館の歌集もすべて借りて読んでみることを考えている。先日数えてみたら、全部で25冊だった。読める読める。




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ぬらっ。公園、図書館

ぬらっ



"M. Haydn - P deest, MH 25 - Symphony in F major"
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ミヒャエル・ハイドンの交響曲を聴いた。1楽章が歯切れよくてよい。
あとひとつ。






しばらく歌ができていないので公園に行ってつくった。10首できた。まだまだすくないが、作れたことをまずはよしとする。

ついでに図書館に行った。歌集が何冊あるかしらべた。全歌集を除けば25冊。読める量だ。

昨日も一冊歌集読んだ。22冊目。5段階の4。
23冊目がむずかしい歌集で、なかなかすすまない。


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ぬらっ。21冊目

ぬらっ


"M. Haydn - P deest, MH 25 - Symphony in F major"
https://t.co/LoRvJAPrYP
ミヒャエル・ハイドンの交響曲を聴いた。通し番号がない。習作といったおとなしい内容。







鈴木さんという人が、歌会が合わなかったみたいでツイッターで攻撃とも愚痴ともつかないツイートをしていた。
欠点ばかり言う人が嫌いだ、改善点も提示してほしいと。

そこから、歌会とはなにか、みたいなツイートがひろがっていった。

あんなツイートのために歌会とはなにかをみんなが論じちゃうのか。

もとは1人の問題なんだから、本人に直接いった1人がいちばん真っ当だとおもう

鈴木さんはそれに対して返事しない。

過去のオレみたいな無視&正当化だった。オレはあんなふうに見えてたのか。はずかしい。






読んだ歌集がよかった。
これで今月は21冊の歌集を読んでいる。
読んだ21冊を偉そうに5段階評価すると、1 1 4 3 3 3 2 5 4 1 1 3 2 3 5 3 1 1 2 1 5 って感じ。



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石井僚一『死ぬほど好きだから死なねーよ』を読む  ~これからすくうやつだよ、ほか


石井僚一『死ぬほど好きだから死なねーよ』。短歌研究社。2017年12月。

話題の歌集なんで意識しちゃうところはあるんですけど、いつもどおりに、えらんだ歌を紹介して、その感想を書けそうなら書くっていう感じでいきます。



明日には複製されてしまうからどうしようもなく今日が愛しい/石井僚一『死ぬほど好きだから死なねーよ』
→「若者のすべて」という連作。なにげないところから感情がたちあがっている。うれしいとか寒いとかつらいとかいろいろ感じるなかで、ここでどうしようもない愛しさがでてくる。



ちぐうんだ。いいだいことは。こんなんじないのだ。こんあちぐはうじないの。/石井僚一『死ぬほど好きだから死なねーよ』
→泣きながらしゃべっているのか。伝えたいことが伝わらないくやしさがのどをふるわせる。
最後は「こんな違うほうじゃ無いの」かな。



やさしいひとってなんなんだよ、って3分間考えてカップめんの蓋めくる/石井僚一『死ぬほど好きだから死なねーよ』
→「午後は○○ おもいっきりテレビ」だったらめくると答えが書いてあるんだが、カップめんだから「やさしいひと」は謎のままだ。
「タイプはやさしいひと」って言われたりしたんだろうか。



23:59のレシートを風と一緒に強く握った/石井僚一『死ぬほど好きだから死なねーよ』
→前向きな歌として読んだ。あとすこしで0:00になる、一日の最後の時間だ。ぐしゃっとなるレシート。昨日を握りつぶし、風とともにあらたな一日がはじまる、コンビニの前のまだ真っ暗な道。



花の名を覚えるたびに忘れゆく花の個のこと 恋をしていた/石井僚一『死ぬほど好きだから死なねーよ』



意地悪 その響きだけ窓に張りついて向こう側に蝶、見えなくなった/石井僚一『死ぬほど好きだから死なねーよ』

→意地悪と言われたことを思いながら、その響きを思いながら窓の外を見ている。とんでいる蝶に目がいくが、いつのまにか見えなくなったと。そしていよいよ独りで「意地悪」と対峙することになる。



雨は夢の空から降ってくりかえし、くりかえし夢の地面を打つのだ/石井僚一『死ぬほど好きだから死なねーよ』
→こういうシンメトリーみたいな造りになってる歌は好きですね。「夢の空」がいいし、「夢の地面」はさらにいい。夢のなかで降っていても、雨そのものは夢じゃないみたいに感じた。



夜になるほど狭くなっていく公園でいつまでふたりでいられるだろう/石井僚一『死ぬほど好きだから死なねーよ』
→「イン・ザ・プール」は三首の連作。夜になるほど狭くなっていく、にすごみを感じた。子供の頃の、遊んでてだんだん暗くなっていくときの感じを思い出す。今にも「帰る」って誰か言い出しそうな、終わりの雰囲気。

プールに金魚が鮮やかでどの子がわたしたちだろうねってこれからすくうやつだよ/石井僚一『死ぬほど好きだから死なねーよ』
→「イン・ザ・プール」三首目。金魚すくいの場面だ。どうしてもオレは、一匹もすくえなかった場合のことを考えてしまうね。そうなったら、わたしたちはいないことになる。
狭くなる公園、プラネタリウムという箱、金魚のプール。ふたりでいるが暗く閉じた三首。三首目には希望や可能性を読み取ることもできそうだが。



やってくる うどんがどんどん からっぽの胃のイマージュに うどんがどんどん/石井僚一『死ぬほど好きだから死なねーよ』
→「うどんがどんどん」が絵本のタイトルみたい。おもしろくなっちゃう。「からっぽの胃のイマージュに」で映像化される。なるべくならよく噛んで食べたほうがいいと、たまに胃を悪くするオレは思う。



ほかにも、耳のないうさぎの歌とか、国家予算の歌とかに印つけてたんだけど、一回目に見たときと二回目に見たときの両方でいいなと思った歌は以上です。歌がおもしろかったです。

以上です。
んじゃまた。







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ぬらっ。20/36

ぬらっ。



"M. Haydn - P 52, MH 133 - Symphony No. 14 in B flat major"
https://t.co/e4PVsGl1Zi

ミヒャエル・ハイドンの交響曲P52を聴いた。Pの番号があるのはこれが最後かな。
3楽章13分。2楽章はやはりファゴットがソロで活躍する。3楽章はメヌエット。







ずっと読んでた近藤芳美の土屋文明鑑賞の本を読み終わった。

歌集三冊読んだ。5段階で1、2、1。老いた人が記念に出したような本がつづいた。
これで36冊中20冊読んだ。



ウェットティッシュを買って部屋に置いた。なかなかいい。もっと早くこうすればよかった。




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ぬらっ。ジセダイ

ぬらっ


"M. Haydn - P 51, MH 62 - Symphony No. 4 in B flat major"
https://t.co/VN9QqWrwFl
ミヒャエル・ハイドンの交響曲P51を聴いた。それぞれの楽章に良さがある。速い部分が挿入される2楽章。弦だけかと思うとファゴットが前にでてくるパターンがまたある。







#ありがとうジセダイタンカ
2017年に載せていただきました。ジセダイタンカはオレを今すぐ呼ぶべきだ! という思いで数年待っていました。こっちからいくのは思いつかなかった。
掲載されてから頻繁に「ジセダイタンカ」で検索してたけど、反響なかった。むずかしいですね。

次にはじまるコーナーにも注目しています。


NHK短歌テキストの「ジセダイタンカ」という若手を紹介するコーナーが終わるというのでハッシュタグが出来ていた。
傲慢なようだが、ほんとのことを書いたらこうなった。
自分が出たいという思い、出たらそうでもなかった感じ。「そうでもなかった」のはオレの力による。それが言いたい。


読んだ歌集がまたつまらない。長くて3分の2しか読んでないが、5段階の1だろう。




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平成29年度NHK全国短歌大会入選作品集を読む  ~メトロよ進め、ほか


平成29年度NHK全国短歌大会入選作品集

何年か前からNHK全国短歌大会には応募してたんですが、そのたびに予選落ちで、それでも作品集は届いてました。「こんなに短歌がたくさん載っているのにオレのはないのか! ほへー!」と驚きつつくやしがっていました。

今回はじめて題詠「山」の佳作というのになりました。


おてごろな岩を見せたら中年のオレがヨイショと休むぞ山よ/工藤吉生


入選の知らせをいただいたときはうれしかったんですが、作品集をいただいて確認してみるといかにも小さくて、佳作ってまだまだなんだなあと感じました。




作品集を読んでおもしろかった歌を引いてみます。



亡き母は西瓜の端が好みだと大人になるまで思っていた我/梅木至子
→スイカの「端」って、皮に近いあたりを言ってるんだと読んだんですが、そのへんは子供は好んで食べないんですよね。オレの経験では。それをいつも母が食べる。好きなんだなと思っていた。大人になってそうではないと気づいた。
子供においしいところを食べさせて、親はそうじゃないところを食べる。親のそういうところにあとから気づく。それも、母が亡くなってから。感じるものがあったのでしょう。
オレの母もそういう人なんで、「もらって」しまった。



ふと聞きし「それで楽しい?」のひとことはわが胸貫き人混みに消ゆ/増田扶示子
→こういう歌、好きなんだよね。「小耳にはさんだ系」とでも言おうか。
見ず知らずの他人の言葉が爪痕をのこしてゆく。断片的であるだけに広がりをもつ。



山ひとつ描ききりたり白球は右翼手(ライト)のグラブをはつか掠めて/佐藤佳子
→斉藤斎藤さんだけが秀逸に選んでいる歌。
外野であるライトに球がいったってことは打球で、グラブにおさまってないんだからヒットになったんでしょう。っていうかエラーになるのか。
「描ききりたり」がいいな。山なりの軌道を追いかけている。球を捕ることは山を描ききれなくすることだったんだ。



降ろされしイエスのかたへに描かるる釘と釘抜き見つめてゐたり/印出美由紀



この人が降りれば座って親指に絆創膏巻くメトロよ進め/河野真南

→これは穂村さんが選んでいる。選者の色が出てるとおもしろい。ほんとに選んでるんだなーって。
誰かが降りれば席は空くが「この人」と一人を指定しているところに怖さがある。ちょうど目の前に座っている人なんだろうか。メトロは「この人」を降ろすために、自分の絆創膏を巻くために進む。自己中心的な気持ちがむきだしになっている。



反則と全然知らず思いきりダブルドリブルしたぞ思春期/原拓
→バスケの話かもしれないし、もっとほかの社会のルールのことを言っているとも読める。
二句と四句に濁音が多い。「ダブルドリブル」って短歌では初めて見たけど、音からしてバスケの球を床についてる感じだ。
結句の「ぞ」が妙だ。



ゆるされる こころのコップをさかさまにしてみづをぜんぶ捨てるみたいに/太田宣子「定める、定まる」
→近藤芳美賞から。タイトルもそうだけど、言葉の反復が多いのがひとつの特徴。「くちづけをくちづけで~」ではじまり「林檎には林檎の~」で終る。
コップの歌。溜まったものがなくなるイメージはよくわかるけど、コップに水を出してそれをそのまま捨てるのって変だ。わかるところと変なところが両方ある。このコップにはまた水がたまっていく気がする。許しってこういうことだったか。
そういう、どことない割りきれなさに立ち止まる。考えてみたくなる。

この本おわり。




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ぬらっ。17冊を5段階

ぬらっ



"M. Haydn - P 50 - Symphony in A major (Wagenseil)"
https://t.co/6LkvHOHYIf
ミヒャエル・ハイドンのP48.49はなくて50に飛ぶ。50はヴァーゲンザイルの交響曲で、3楽章5分。ヴァーゲンザイルはハイドンより年上で、前古典派。CD持ってたからすこし馴染みがある。おもしろい強弱のつけかたが見られる。きびきびしている。







今日も全然知らない人の歌集を読んだ。「ブックオフ8店舗の540円以下の歌集すべて買って読む」36冊のうち約半分終わった。あんまりよくない歌集でも、読むのはわりと好き。

読んだ17冊を偉そうに5段階評価すると、1 1 4 3 3 3 2 5 4 1 1 3 2 3 5 3 1 って感じ。平均2.6。

5段階の5が二冊ある時点でもう大成功ですよ。予想してたよりずっとおもしろい。オレの考えることはオレにはだいたいおもしろいんだが、さらにおもしろい。




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ぬらっ。ゆうしゃさん

ぬらっ


"M. Haydn - P 47, MH 76 - Overture to Rebekka als Braut"
https://t.co/E45LYRYuI5
ミヒャエル・ハイドンのP47はオペラの序曲だった。3分ほど。







頭がいたくてつらかったが、じきに治った。
ゲームの実況動画見てた。

"#1【生実況】難しいという噂のマリオ2やります。【残念プレイ】" https://youtu.be/MXOWgaZoTGQ

ゆうしゃさんという人の実況がおもしろい。ぼやきがいい。



あと、ひさしぶりに戦国シュミレーションゲームをやったけど、ずっとやってると頭おかしくなるな。数字だけになってくる。
短歌の感覚からだいぶ遠い。


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『合歓』79号を読む  ~いざ行かむ行きて祝はむ、ほか


久々湊盈子さん代表の歌誌『合歓』79号(2018.1)を読みました。この本をあつかうのは四回目くらいです。



今年で終る五年日記も来年は十年日記に戻すと決める/野上千賀子「十年日記」
→十年日記をつけてきて、五年日記にした。それをまた十年日記に戻すと決めた。
そこに心境の変化が見てとれる。あと十年は生きられる力を体に感じているのだろう。

オレはいつも一年の日記だ。それすら最後までいけるかいつも不安だ。先を思うと、もうダメかも、もうダメかもとオレはいつも不安になる。五年とか十年の日記をつけられる人ってすごいな。



ミュシャの女ふくよかなれどどの顔も幸せ薄き笑みを浮かべる/久々湊盈子



いざ行かむ行きて祝はむ癌病棟より生還の彼奴(やつ)つかまへて/八城水明「信濃の秋」

→力の入った、あらあらしい喜びの表現だ。よほどうれしいのだろう。このあと喜びを爆発させたのだろうな。肩なんてバンバン叩いたりして。こっちもめでたい明るい気分になる。



臨場感たっぷりに語るどの女(ひと)も四十年前のお産のさまを/山下和代「キッズスペース」



片仮名のやうな人だと思ひしに酔へばずんぐり〈ゐ〉の字のひとなる/柏木節子「ヴェネチアングラスの赤」



好きなくせにそうでもないと言いし吾を半世紀経ても許せずにいる/中原弘「砂のラクダ」

→さっき「四十年前のお産」の歌を引いたけど、こういうおおきな時間は高齢者にしかないもので、重く感じられる。
だが、こうした強い悔恨の歌のすぐあとに、次のような歌があるのだ……
「ノーブラシ」のシの字が剥げいる洗車場何とはなしに見上げて通る/中原弘「砂のラクダ」
「ノーブラ」と言いたいわけだ。



陽を浴びて横切る蛇のつややかさわれの挫折は仮病のごとし/中山良之「わが歌は、さて」
→上の句の蛇の強い印象が、下の句のような思いをいだかせたと。挫折が仮病とは、ずいぶんだ。どれだけのつややかさだろう。



「あら、あした息子が来てる」と母は笑む十年日記の次頁繰りて/岩崎堯子『晩夏の海』
→「歌集を読む」から。さっきも十年日記の歌があったけど、十年日記やってる人って多いんだろか。十年前なのに「あした」という時間のありかたがおもしろい。



いますこし待てば驟雨は去るものを傘持つゆえに濡れて帰りぬ/柏木節子



以上です。
んじゃまた。


▼▼▼



お読みいただきありがとうございました。
noteのほうでは、ブログでは読めない内容の記事をたくさんアップしています。

2018年1月の工藤吉生の短歌とその余談  ~未来賞第一作ほか
https://note.mu/mk7911/n/nffa8669c4b47

「未来」の新年会に行ってきたぞ【前編】
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「未来」の新年会に行ってきたぞ【後編】
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未来賞をいただいて、いま書きたいこと
https://note.mu/mk7911/n/n0b1f389aea2f

第57回短歌研究新人賞候補作「仙台に雪が降る」全30首
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などなど、
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去年の角川短歌賞の予選通過作品 50首|note(ノート)
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プロフィール

工藤吉生(くどうよしお)

Author:工藤吉生(くどうよしお)
仙台市在住。2011年に枡野浩一さんの「ドラえもん短歌」の影響で短歌を始めました。

▽短歌雑誌「短歌研究」「角川短歌」などの読者投稿欄、
▽新聞歌壇「毎日新聞」「日本経済新聞」「読売新聞」「河北新報」
▽テレビ「NHK短歌」
などで作品を発表してきました。

短歌結社「塔短歌会」に2012年から3年間所属していましたが退会し、現在は「未来短歌会」彗星集に所属しています。

▽角川短歌ライブラリ刊行記念「わたしの一首」コンテスト大賞受賞。
▽第57回短歌研究新人賞候補。
▽Eテレ「NHK短歌」年間大賞(2016年3月、佐佐木幸綱選)。

ゴールデンボンバーの歌広場淳さんにツイッターで短歌をほめられたことがあります。

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