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松村英一『やますげ』を読む  ~憂なきわれとは言はず、ほか


歌集。
筑摩書房の現代日本文學大系94「現代歌集」を読むシリーズ。第7回は松村英一『やますげ』。

松村英一という人は窪田空穂の創刊した『国民文学』という雑誌の編集を長くやっていた人で、長生きしている。『やますげ』は第二歌集ということだ。



帰り来る路のかたへのくらき家に人のしはぶきさみしくきこゆ/松村英一『やますげ』

憂なきわれとは言はず山川のあらきたぎちに耳かたむけて/松村英一『やますげ』


前から何度か書いてるんだけど、久しぶりだからまた書くんだけど、近代の歌集を読んでるときにオレが丸つける歌って、なんだか聴覚の歌が多いんです。かすかに聴こえてさびしい、というのが多い。いま引いた一首目はそういう歌ですね。二首目は荒い音だけど、気持ち的には「憂(うれい)」。



桟橋に横づけしたる船の上の人の面は赤し入る日に向ひて/松村英一『やますげ』
→読みおわってみれば、絵画みたいな歌だ。読んでいるとだんだん出来上がっていくんですね。カメラが動いていく。桟橋から始まって、船、人、その顔、日。自然につながっている。



橋板をとどろと通る兵隊は皆のぞき見つ深き谿底を/松村英一『やますげ』
→念のためしらべて「とどろ」は「とどろきひびくさま」と確認。
兵隊じゃなくてものぞきそうだけど、ここは兵隊だ。死と隣り合わせの立場だ。上の句はTが妙に多い。音のおおきい導入から、深き谿底へと至る。うるさく始まるが、不気味な静けさに終わる。



靄立てる沼の上を漕ぐ船の人影おぼおぼし木の間に見えて/松村英一『やますげ』
→これもさっきの、カメラが動く種類の歌だ。終始ぼんやりしている。いい結句だなあ。結句で立体的になるというか、奥行きがでるというか、距離がつく。
「人影」と読みたくなるけど「船の人」で切れている。



山駅のぷらつとほうむかすかなる狭霧の中を人歩み居り/松村英一『やますげ』
→「ぷらつとほうむ」がなんといっても目をひく。大正9年の歌。



眠りかねて起きたる人か山の空茜させりと言ひにけるかも/松村英一『やますげ』



巷には秋風吹きてゐたりけり亡き子をここにかへすすべなし
この部屋にふかくさし入るあさ日かげ明るかりければ思ふわが子か
/松村英一『やますげ』



扇風器まはりてたつるそのうなりたまたま覚めてきけば寂しも/松村英一『やますげ』


"アンティーク 芝浦製作所 芝浦扇風機 大正初期 大正ロマン"
https://t.co/kV6y9TBMOK

→大正10年の歌。当時の扇風機ってどんなものなのか、YouTubeで見た。普通に風が出るし、首まで振っていた。
音のなかに寂しさを感じているのは、川の「あらきたぎち」の歌もそうだった。



わが倦みてたまたまあくる窓の下子を負ひい行く家妻の見ゆ/松村英一『やますげ』



この居間の火鉢の前に常ませし父の姿は眼を去らぬかも
亡き父が持ち古したる湯のみ茶碗手にとり見つつ思ひにしづみぬ
/松村英一『やますげ』

→轟音のなかに憂いがあり、うなりのなかに寂しさがあるというのを書いた。ここでは火鉢や湯のみ茶碗という「目の前にあるもの」が「もういない人」を引き寄せている。有のなかに無を見る。そういう歌に丸つけていた。



この本おわり。
んじゃまた。




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2018年8月のオレの短歌とその余談/連作の歌のつなぎ方
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「短歌研究」2018年9月号・短歌研究新人賞のことを思うぞんぶんに書く【1】
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【4】選考座談会・前編
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【5】選考座談会・後編

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2018年の短歌研究新人賞の自分のことについて、思うぞんぶんに書き尽くしました。また、選考座談会で言われたことへの応答。




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「塔」2018年5月号を読む  ~友だちがいなくてつらいと言う友、ほか

「塔」2018年5月号。



時かけて空を降り来る雪だから何か思ひ出せさうで見てゐる/ 野岬



友だちがいなくてつらいと言う友の口元にのぼりゆく抹茶ラテ/加瀬はる

→最近、吉川宏志さんの「中心となる語句を消す」 https://t.co/bjy4ZFXwUx っていう文章を読んだけど、この歌もそうですね。ストローが消えている。

「言う友の」ってことは、主体っていうかこの人から見たら相手は「友」のわけです。でもその「友」は「友だちがいなくてつらい」と言っていて、こちらを友とは見ていない。ここにザラッとしたものがある。
抹茶ラテの色が、そんな気持ちをあらわしているのかな。
ストローが描かれてないけど抹茶ラテは飲まれていくわけで、この消えているストローが、友に友と見てもらえないこのひと自身なのかもしれない。




もぐら叩きのもぐらのような優しさの夫疎まし雨降る日には/数又みはる
→まあ比喩のおもしろさですよね。もぐら叩きのもぐらは決して攻撃してこないから、そういう意味では優しいけど、いいこともしないから、なんとも消極的な優しさだ。晴れるとどこか出かけて、雨だと家にいるという人なのか。



向ひ家の軒のつららに映り込む右へ左へ雪を掻くひと/武山千鶴
→つららに映っているものを見ている。「右へ左へ」が活きていて、その動きが分かるくらいつららでものが見えるのかと思うわけです。つららからの雪で、冬まっただなかだ。



雨のあとの明るい夕焼けわたしには理解できない笑いのような/上澄眠
→天気をお笑いで例えたんだと読んだ。怖がらせてからおちゃらけるっていう笑いのスタイルがある。



連結のガシヤといふ音ゆび差して車掌二人が別れゆきたり/清水良郎
→音を指さすというのが一点目、連結からの別れというのが二点目。そこがおもしろポイント。



喫茶店の席を立つとき目に入る壁の抽象画の赤き線/加茂直樹
→赤い線がある以外はどんな絵かわからないうえに、抽象画ときたら、もう全くこの線がなんなのかわからない。わからないけど、赤い線というのは注意を引くものだ。血の連想もできる。くつろいだ場所から、パッと意味不明で異質なものが出てくる。



待たさるる固定電話にイエスタディ流れ続けて二周目となる/紺屋四郎
→こういうことは普通にある。イエスタディは名曲だからこういうところに流れる。二周目ともなるとイライラしてくる。「イエスタディ」がやはりポイントだろう。時間の流れ的に。待ってる時間、昨日という時間、繰り返される昨日、さらに待ってる時間。



自殺は罪、罪か?自殺は。死にたいと思ふ一羽も飛びゐるや 空
さびしいと言つたら何がさびしいかと叱るがごとく言はれし夜のこと
/岩野伸子

→苦しみの深い歌だ。自殺と罪のあいだを行き来するこころ。死にたがっている鳥が空にいると思うと空が悲しいものに思えてくるし、そうでなくてもそんなことを考えながら空を見上げている人がいるのがつらい。



溶けてゆく蝋にみずからを映しつつ炎は立てり死とのさかいに/吉川宏志
※「蝋」は正字




以上「塔」5月号でした。
んじゃまた。




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診断メーカー「【おみくじ】今日のあなたの短歌」をつくりました!!!

診断メーカーつくりました!!!
「【おみくじ】きょうのあなたの短歌」
っていうのをつくりました。

https://t.co/g4lsYhYSEs

名前を入力して「診断する」を押すと、有名な短歌ひとつがランダムで出てきます。それが何をあらわすかはあなた次第です。



おみくじって書いたけど、別に吉か凶かを占うためのものとは限らなくて、そこは使った人に自由にしてもらえたらいいんです。短歌を短歌として味わっていただいていいわけで。
ただ【おみくじ】って書くと、フラフラッとやってみたくなるかなーと思ってそういう看板にしています。

いわゆる「ガチャ」として遊んでもらうこともできますし、「プロ野球チップス」の短歌版みたいなものと思ってもらってもいいと思います。


400首くらいの歌が入ってます。
主に古典和歌から近代短歌を入れています。トラブルを避けたいので存命の歌人の作品はあまり入れてません。特に、ツイッターをやっている歌人さんの歌は避けました。



ハッシュタグ #きょうの短歌 で反応を見てるんですが、「意味がわからない」っていう人が現れはじめました。歌人以外の人にまで広がってるってことです。


「意味不明」「わからない」というリアクションがけっこうあるので、説明に「※古い言葉が使われている短歌もあります。もし意味がわからなかったらコピペして検索してみてください」の一文を追加しました。
診断メーカーには診断結果をコピペする機能があります。




一日で約1500人の方が使ってくださいました。さまざまな反応が見れてドキドキしました。ランキングやツイッターのトレンドに入ったりして、少し注目されました。



このブログの読者さんにはツイッターをやらない方も多いと思うのですが、診断だけならツイッターがなくてもどなたでもできますので、気軽にやってみてください。

https://shindanmaker.com/843295

診断結果は日替わりなので、何回も楽しむことができます。

みなさんに、短歌との良い出会いがありますように。



選歌はオレがやりました。
▼小高賢『近代短歌の鑑賞77』
▼小高賢『現代短歌の鑑賞101』
▼井上宗雄・武川忠一『和歌の解釈と鑑賞事典』
▼永田和宏『近代秀歌』
▼岡井隆・永田和宏・馬場あき子・穂村弘『新・百人一首 近現代短歌ベスト100』
そのほかを参照しました。






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『合歓』81号を読む  ~完全主義の娘、ほか


「合歓」81号。

毎回書いてる気がするけど、久しぶりなのでまた書きますと、
「合歓」は季刊の結社誌。発行人は久々湊盈子さん。90ページある。特徴は外部との交流が盛んなことかなあ。歌集評が多い。久々湊さんによるインタビューが目玉のひとつ。
エッセイとか招待作品とか連載とか、とにかくいろんなページがある。通常の詠草もあるけど、選歌はないのか、全員10首ずつ載っている。歌だけでは実際はわからないけど、若い人、つまり40代以下の人がそんなにいるようにはオレには見えない。



人肉を喰らう老婆が刃物研ぐごとく尾長がじぇじぇと鳴く/久々湊盈子「卯時(ぼうじ)の酒」
→この「じぇじぇ」は「じえじえ」とか「じぇーじぇー」に近いんだろうなと想像した。上の句の比喩がおもしろい。



桜はや散りそむる門に誰を待つ翁は首にケータイさげて/渋谷みづほ「四月ばか」
→幻想かというくらいにきれいだったが、結句で現代の風景になった。首にさげているのは、なくさないようにということだろうね。



完全主義の娘がときおり訪ね来てどっと疲れたる表情を見す/渋谷みづほ「四月ばか」
→どんなふうに完全主義的なのだろうと思って読んでいくと、母の前では別の面がでるんだね。
さっきの歌もだけど、後のほうで変化をつけている。



xとyとで示す未知数の解きあくるとき数学は良し/恩田てる「まだ未成年」



みなしごを産むまぼろしに目は冴えて真夜中せなかぢゆう掻きむしる/石川美南「みなそことそこここ」

→招待作品。歌の一文字目が「み」「な」「そ」「こ」で始まる。これは「み」ではじまる歌。
下の句、寝苦しそう。句またがりの効果もあって。



なかうとして笑つた顔のさみしさよ鴉しづかに夜の住処へ/石川美南「みなそことそこここ」
→さみしいなあ。
鴉は表情がわからなくて、動作だけがある。鴉なりの喜怒哀楽や表情があるのかもしれない。



おかめの手を握らんとしてひょっとこが入会してくるグループ・レッスン/恩田てる



汝のぶんもながく生きると欲深い追悼文がまた読まれおり/恩田てる



紙コップ検尿のごと渡さるるコンビニレジのセルフコーヒー/山下和代

→覚えておくと食べ物飲み物が美味しくなくなりそうな短歌というのがあるものだなあ。そういう歌をみなさんにおすそわけします。比喩がうまい歌。



以上「合歓」81号でした。





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角川「短歌」2018年9月号の荻原裕幸さんの歌壇時評の感想すこし
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「世にも奇妙な物語」全部見て順位をつけるぞ【7】1996-98年春ほか

「質問箱」第8弾  ~穂村弘さんがツイッターをはじめたら、ほか

「質問箱」にきた質問にひさしぶりに答えた。

質問箱
https://peing.net/ja/mk7911

質問には57577で返します。


これまで答えた主な質問。

【1】Peing(質問箱)を始めました
http://blog.livedoor.jp/mk7911/archives/52205560.html

【2】二日目
http://blog.livedoor.jp/mk7911/archives/52205619.html

【3】三日目。短歌研究の裸の写真、塔から未来に移った理由 : http://blog.livedoor.jp/mk7911/archives/52205705.html

【4】四日目。短歌での目標について、スランプについて
http://blog.livedoor.jp/mk7911/archives/52205738.html

【5】五日目・六日目 2ちゃんねる見てますか、注目歌人、発表の場
http://blog.livedoor.jp/mk7911/archives/52205895.html

【6】七日目~九日目  2017年の歌集ベスト3、結社に入ってうれしかったこと、ほか
http://blog.livedoor.jp/mk7911/archives/52206241.html

【7】年末年始の「質問箱」  ~文語で詠むことはありますか、なぜ旧かなにしないんですか、ほか
http://blog.livedoor.jp/mk7911/archives/52207073.html



ではいってみましょう。





問 ピーマンが苦手です。どうしたらいいですか?

苦手って誰にでもありあなたにはそれがピーマンだったのでしょう
どうしてもピーマンが気になるのなら一首つくってみますオレなら

https://t.co/Aonm8bAzvv




問 赤ちゃんってかわいいよね~

かわいいね   ほかになんにもいうことがなくて空虚な二十六音

https://t.co/SbmFT8x9gN





問 最後にさかな釣りをしたのはいつ?

十八のころにオヤジに連れられて行ったなボートなんぞ浮かべて

https://t.co/9gzr9v2yOS



問 旅行で行ってよかった場所は?

東京で受賞式して大阪や山形に行き歌会しました
県外に出てもほとんど観光はしないで帰るのでわからない

https://t.co/PwxRy7nyGs

旅行の質問。
大阪ではたこ焼き食べたくらいだなあ。
山形は茂吉記念館見ました。そういえば山寺に登ったことあります。東京は電車で行ったりきたりしていくつか店に入りました。
いい悪いはなくて、それぞれが思い出です。





問 穂村弘さんがツイッターを始めたらフォローしますか?

するだろう ぼくをすてたるものがたり、じゃなくて@hiroshi_homuraのフォロー 
するけども 今からツイッターをやる穂村弘はどうかと思う
ツイッターやってないのがほむほむの魅力のひとつなんじゃないかな

※架空のIDです

https://t.co/9Mv1hJYeg1



ほむらさんに関する質問。
一首目は、過去の名歌そのまんま、からの創作IDっていう、このバランスがわれながら気に入っている。
一首目の有名な初句を、二首目でちょっと変化させてまた使ってるのも、自分で満足しているところ。

いいんだよ自己満足で。自分を満足させるってそんなに簡単じゃないから。





問 オーケストラの楽器の中で、演奏してみたい楽器はどれですか? また、逆に演奏したくない楽器はありますか?

ピアノとかコントラバスをやったのでそれ以外をやりたいな来世は

https://t.co/IBFlWNbmkc




問 もし子どもが生まれたら、何という名前を付けますか? 男の子の場合と女の子の場合、両方教えてください。

まえもって決めておかないタイプです オレの名前は祖父の命名

https://t.co/Hxza5A8DN1




問 好きな作曲家は誰ですか? また、その作曲家のどの曲が特に好きですか?

最近はゴールドベルク変奏曲ばっかし聴いてますよバッハの
ベートーベンだったらシンフォニーがいいモーツァルティアンの時代もあった
ダウランド、テレマン、ラモー、ブルックナー、ブラームス、フォーレ、挙げきれません

https://t.co/RPqYqWSJ99




問 挑戦してみたいことある?

挑戦はやっていますよ! うまくいくようになるまで言いませんけど

https://t.co/VmbfgTuJ4O




問 明日の日経平均はどうやってると思いますか?

ミスならば誰にでもある落ち着いて文字を打つことからはじめよう
https://t.co/jRayykuSt0


問 明日の日経平均はどうなってると思いますか?

質問の中身もしくは宛先も打ち間違っていないでしょうか
https://t.co/60PxG3uSqE


おもしろい質問をしようとしてスベってるパターンかもしれないね。くわしくないことをきかれても、こっちは「かわす」だけなのよ。質問する側に知識や経験やセンスがないと、鋭いおもしろい質問にはならない。問いをたてるって、頭を使うことなんだよ。

この人になぜこれを訊くのか、この人に何を言わせたいのか、自分がそれを知ることでどうなるのか。面白さとはどのようなときにうまれるものなのか。
まず自分に問うてもいいかもね。





問 生まれ変わったら何になりたい?

あと少し自分をちゃんとやりきってそれから次を考えたいな

https://t.co/XwQWJVUbX8





問 どうして質問系タグ答えてみようと思ったんですか?

オレが今あなたのくれた質問に答えてるのと理由は同じ
https://t.co/GfqsLXkQ4G



#短歌の人がいいねの数だけ短歌の話をする をやりました
http://blog.livedoor.jp/mk7911/archives/52224708.html
これのことですね。



ツイッターで流行ってることはなるべく乗るようにしているっていうのもあります。そしてそれをまとめておくと、いつ何が流行ったか後でわかるんです。

それと、20の質問に20の短歌で答えれば、少しくらい「使える」短歌ができる可能性があるからです。

元々のタグがもっている目的もあります。共通のハッシュタグを使うことで普段つながってない人にツイートを見てもらえる可能性がある。最近フォローした人にオレのことを知ってもらえる。








以上です。
んじゃまた。



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▼賞としめきり▼麒麟騎手▼ほか  ~2018年10月

2018年10月に書いた、さまざまな断片から。



▼麒麟騎手

穂村弘さんがすすめていた本、塚本邦雄『麒麟騎手』買った。1200円の本が古書店で2200円。それと桑原武夫『第二芸術』買った。 https://t.co/LB9WJMD0Ig
この古書店は、レジがなくて算盤が置いてあった。

『麒麟騎手』は1974年の本で、寺山も塚本もまだまだ生きている。塚本から寺山への書簡が収録されている。あだ名で出てきて、誰だかよくわからない人もいる。二人は相当仲がいいようだが、厳しい言葉もある。あだ名をつけあい、言いたいことを言える、活発で強いつながり。短歌研究のことを「短研」って言ってる。

塚本はシャンソンや映画のことをよく書く。いろんな作品がぽんぽん出てきては、短くバッサリいく。厳しさと簡潔さが心地いい。ほめるときには、君にも見せたい、君にも聴かせたいという。とにかく夢中であれこれ見て聴いていて、楽しそう。自分もいっぱいいろんなものを見たいと思った。

くだけた文章で、塚本がちょっと近くなったように感じられる。





▼オール読物

オール読物が宮部みゆき特集だったので、宮部みゆき好きの母に買った。

オール読物新人賞っていうのが11月号に載ってたから見てたんだけど、厳しい世界だねえ。同じようなことを前にも書いたかもしれないけど、2000以上の作品から5作だけ候補になって、しかもどれもかなり厳しいことを言われていた。

それを、こわいなあこわいなあと思いつつ、楽しく読むわけです。こわいのは自分に置き換えようとしたからで、楽しいのはいじめの快楽みたいなアレなんだろうか。

松本清張賞のお知らせのページが目に入った。賞金500万ですって。ひえっ。





▼賞としめきり

10/15は笹井宏之賞の締め切りだった。

笹井 賞
でためしに検索してみるとたくさんの知らない人たちのツイートがでてくる。知らない人たちに頑張ってほしい。知らない人たちのなかにすごくおもしろい人がいてほしい。新しいムック本からでてきた賞だ。新しい人の新しい作品がとるべき賞だ。


何ヵ月も前から締め切りだとわかっていたのに、ギリギリにやっと並べかえをやって出したり、あるいは間に合わない人がけっこういるようだった。みんなそんなに忙しいのかな。
そういうところは作品にひびいてくる。余裕をもって大切につくらないとダメだろと、説教したくなる。

間に合うように作るのなんか当然で、それをどれだけ丁寧に磨きをかけることができるか、が勝負だと思う。



キングコングの西野さんが、はじめて絵本をつくるときのことを本に書いていた。素人がプロに勝つには、金と時間をかけることだと。プロはひとつの作品にいくらでも金と時間をかけるというわけにいかないが、素人はそれができる。勝てるとすればそこからだと。
だから、金はまあかけられないにしても時間はかけないと。

間に合うように応募できて満足っていうのがすでに全然ちがう。

もっと言えば、受賞したら満足というのもほんとは違うんだろうね。

歌集がだせる賞ならば、いい歌集を出して多くの読者を満足させることができて、そこではじめて一つのことが達成できたということになるだろう。





▼風

短歌BBS「風」。
https://t.co/nTwZeWRik2

オレが
http://blog.livedoor.jp/mk7911/archives/52220446.html
であれだけ真面目に書いたのに「怒ってたみたい」で片付けられてしまうのか。なにを読んでいるのか? 中身ではなく、顔色だけを読もうとしてるんだろう。そういう人のために書く文章はない。すくなくとも、中身をともなう文章は。





▼ゴールドベルク変装曲

"Bach, BWV 988 Goldberg Variations (complete)with sheet music/fingering バッハ, ゴルトベルク変奏曲 (全楽譜, 指使い)"
https://t.co/9ufue8nQu0

バッハのゴールドベルグ変奏曲を聴く時期というのがときどきくる。この演奏はあまり味がついてないのがいい。楽譜に書いてあることをなぞる。ここからがスタートだ。



不眠症の伯爵をなぐさめるためにバッハが作った~みたいなエピソードがあるけど、おもしろい曲だし刺激のある演奏が多い。



"J.S.バッハ 「ゴールドベルク変奏曲」 ロザリン・テューレック J.S.Bach Goldberg Variations"
https://t.co/kzuaYP9c9K
90分を超える、ゆったりした演奏。聴きながら寝るにはちょうどいい。




▼夢

夢。短歌の集まりだった。女性歌人にオレが飲み物をおごろうとするんだけど、いいですからと言われてその人は自分で買った。別の人からオレの言い方が強くてセクハラに近かったと指摘をうける。

オレははずかしくて居ても立ってもいられなくなって「帰ります」と言ってそのまま帰った。今から会が始まるっていうタイミングだった。そのあとは誰に話しかけられても何も言わず歩いた。

歩き続けて建物をどんどん離れていっても、建物のなかで歌人たちがたのしそうに話している声が耳に届いてくるのだった。これから始まるのに工藤はなぜ帰ったのかという声もしていた。もう人前にあらわれないことにしようと決めた。おわり。





▼純文学

小谷野敦『純文学とは何か』読みおわった。いろんな本がでてきてたのしかった。昔読んだ本もでてくれば、まったく知らない本もでてくる。文学のエレクトリカルパレードといった印象だ。ひとつひとつの段落が、豊富な読書量をあらわしている。

もっといろんな小説を読んでみたいなーと思った。



短歌のなかには純文学と通俗文学があるかなと考えた。
通俗なものはかつては「狂歌」だったが、だんだんそういう区別がなくなった。
純と通俗が、短歌ではひとつに溶け合っているのではないか。
茂吉は通俗だが佐太郎は純文学、みたいな分けかたをしても意味はないだろう。愛唱されるとそこが通俗になる。

作品ごとに判断するしかない、というのはそうなんだろう。作家ごとでくくるとわかりやすいが。





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角川「短歌」2018年9月号の荻原裕幸さんの歌壇時評の感想すこし
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「未来」2018年8月号を読む  ~にんげんの証明をせよ、ほか


「未来」2018年8月号。



電話台のメモさまざまに残りいてすでに忘れしこと多きかな/大島史洋



働かぬ蟻のごとくにユーチューバーと呼ぶ存在も必要ならし/黒木三千代



誰ひとり思ひつくことあたはざる結句のやうな夕方の空/桝屋善成



目指すべき場所をなくせばポストにはピザ屋のちらしあふるるばかり/門脇篤史

→目的がなくなると生活にしまりがなくなり、身の回りのこともおろそかになり、郵便物もたまる。いろんなチラシがあるけど、ピザ屋っていうのがいい。料理もしなければ外出もしない、そういうピザ。



あなた全然悪くない上司が無能よ 心にデヴィ夫人住まわす/岡崎裕美子
→最後まで読んでからもう一度読むと、一回目とは違った読み方になる。デヴィ夫人の話し方とか声って容易に再現できる。強い味方だけど、こっちにも突っかかってきそう。



ぢおぢおと土になりしか骨のみの傘道ばたに打ち捨てられて/鈴木博太





空白な心の内にしのびよる朝焼けの色 もう好きじゃない/岡田依代「しかく」



I'm not a robot,I'm not a robot. にんげんの証明をせよ
にんげんの証明をせよ にんげんの証明をせよ にんげんの証明をせよ
/長妙理子

→7首のうちの1首目と7首目を引いた。奇数番目に「にんげんの証明をせよ」が出てくる。
ログインするときに自分がロボットじゃないことを証明させられるのは経験があるし、そういう歌はときどき見かける。
量がポイントだ。量が質を変えることがある。こういう言葉が繰り返し出てくると、響いてくるものがある。



CGの波にさらはれ指先がポップコーンを捉へられない/氷月真帆「断罪と断絶」



人間のコスプレを脱ぐ場所じゃない箸を持つ手がぶよぶよしても/西藤定「蛍」

→手がぶよぶよするっていうのは、じかに触れていなくて、手袋とか、なにか一枚隔てているときの感覚だろう。世界とじかに触れていない感覚。人間ではない何かが、脱ぎたくなってしかし耐えている。

にんげんの証明、CGの波、人間のコスプレ。似た傾向の歌がならんだ。



ボロボロのボール投げたらそらでバラバラに誰あのおじさん驚いている/山 修平「アロンアルファと鯨肉(5)」
→考えたらなんのことか分かってスッキリするというようなものでもなさそうだし、なんと言っていいのか。なんで丸つけたのか言おうとすると難しい。

バ行の音とか、無惨だけど花火みたいな派手さもちょっとあって、その破壊は遊びで、居合わせた知らない大人が遊びにかかわってくる懐かしい感じ、とともにその違和感。
……という風に分解していくと、オレが反応したのは、子供の頃にボール遊びしたこととかオモチャが壊れたとか知らないおじさんが見てたとか、そういう古い記憶にさわってくるところだな。

その気になれば、ボールとは平和憲法のことで、乱暴に扱ったらこわれて、それに反応する大人が次の世代に軽んじられているとか、そういう解釈の方向にも行けるけど、うっすら予感するくらいにとどめておきたい。



火を点じられた小枝をながれだす出あいのよろこびのようなもの/小林久美子

さめきった茶漬けのようなわたくしにリニアの賛否問う人の来る/伊東余志子




以上です。



『未来』に載ったオレの短歌のまとめはこちら。
http://matome.naver.jp/m/odai/2145087691179204501





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2018年の短歌研究新人賞の自分のことについて、思うぞんぶんに書き尽くしました。また、選考座談会で言われたことへの応答。




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「塔」2018年4月号を読む  ~1日は0.3円、ほか

「塔」2018年4月号です。

2015年の年末に退会してからも、ずっと感想を書き続けているんです。毎月じゃなくて、思い出した時にまとめて読んでる感じです。



そう言えばおでん食べたと言ってたな君の好きな具を浮かべる冬空/太田愛葉



掌がなければすぐに落ちるだらうたぶん記憶も形なきみづ/石松佳

→この方の名前は、詩で知った。
三句で切れてると思えば普通に読める歌だけど、四句で切ってしばらく不思議な歌だと思いながら読んだ。
落ちる水を手に受けるようなイメージで、記憶を掌に受けているんですね。この場合の「掌」ってなんだろう。記憶をとどめようとする心の動きをとらえているのか。



明け方の雪はひかりをかさねつつ樹々のねむりをくづしゆくらむ/濱松哲朗
→雪って積もるものなので、「くづしゆく」は世界が反転しているみたい。ねむりがくずれていくという感覚はあんまり馴染みがないんだけど、木の眠りは人の眠りとはちがうだろうから、こういうものかもしれない。雪のなかで起きる感覚、どんなだろうな。明け方のひかる雪に。



上下線不通と聞けばなにがしかの公平感あり運転を待つ/北島邦夫



日に三度同じ男と便所にて会う月曜である今日はまだ/八鍬友広

→これこそ切る場所に迷う歌だ。
便所にいくと曜日や日付を確認したり思い出そうとしたりするオレにはわりと「月曜である今日はまだ」はすんなり入ってくる。前半みたいなことにふさわしい曜日があるかのようだ。



みんながみんな死にたいわけじゃないんだと言われた今日の湯船の深さ/田村穂隆
→一日にあった嫌なことを、お風呂で思いだしちゃったりする。一体なんでこんなことを言われたのか……。
なにやら自分中心なことを言ってしまい、しかも他の人は人生を楽しんでいる。できることなら湯船にどんどん沈んでいきたい気持ちだろう。



おやゆびがこのごろおいしくないねんと小さな声に六歳が言う/ぱいんぐりん
→六歳ならばもう指しゃぶりをやめていてもいい頃だけど、この子は今その時がきたんだろう、と読んだ。「小さな声に」に実感がある。実感、っていうと借りてきた言葉みたいかねえ。マジで言ってるぞって思うの。「ないねん」の「ねん」も。

ぱいんぐりんさん。名前がPで始まる歌人、しかも結社にいる歌人なのにPから始まるのは珍しい。その意味でオレのなかでは「未来」の「ぴーたーぱん子」さんと双璧だったんだけど、ぱん子さんは改名した。



100均のカレンダーだと1年で割って1日は0.3円/真間梅子
→0.3のところだけ半角にしたのは、誌面でそういうふうに見えたから。
一見それっぽいことを言ってるけど、騙されないぞという気持ちになる。たしかに本の価格をページ数で割って考えることはあるけども。見たことないものを見た驚きがあった。
それに、このチマチマした計算だけで一首を成立させて、余計なものをなんにも入れないところは実にちゃんとしている。



わたしだけのためにある鍵 長いこと欲しかったものを今は持ってる/紫野春
→子供って不思議なもので、鍵にあこがれたりもする。鍵ってちょっと神秘的だ。固く閉まってるものが魔法みたいに開く。自分だけのそれを持ちたかったんだろう。
それが叶ってもなんだか楽しくなさそうな感じだが、この感じは歌のどこからきてるのだろう。部屋の鍵、防犯の鍵。もう欲しいきもちはない。



入口は出口になりてぞろぞろとゾンビ映画の観客の出づ/千名民時
→たしかに入ったところから出るわけだけど、これによって観客の生死が逆転したみたいだ。
「ぞろぞろと」はありふれているようで、動かない。意志のないゾンビが歩いている様子にぴったりだし、ゾンビの「ゾ」をみちびいている。



プラットホームに目陰をすれば手袋の甲あたたかし朝の陽ざしに/花山多佳子
→きれいなものを見たとか何か心が動いたときに、おっ短歌になるぞ、って思ったりする。だけどこれはかなり微弱なやつで、これをよく捕まえたなと思うよ。
「塔」の人たちはそういうのうまいよ。生活のなんでもないところから捕まえてきて、さらりと過不足なく表現する力。



歌集のつくり方の特集がある。いろいろ書いてあるけど、山上秋恵さんの文章が印象に残る。



以上です。




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太宰治『グッド・バイ』(新潮文庫)を読んだ

小谷野敦さんの『純文学とは何か』を読んだ影響で、なにか文学っぽい小説を読んでみたくなった。

いろいろ迷って、太宰治と谷崎潤一郎を買った。谷崎はまったく読んだことがない。太宰は主なものだけ読んだことがあるけど、読むのは15年ぶりくらい。




新潮文庫の太宰治『グッド・バイ』から最初の短編「薄明」を読んでみた。
空襲から家族で疎開したり、攻撃から逃げ回る話。なさけない父親っていう要素があるけど、空襲がおそろしいっていうことのほうが印象的だった。

親戚の家に数人で世話になるとか、布団を持って妻と子供二人で逃げ回るとか、地面を掘ってものを埋めておくとか、塀をのこして家が焼けるとか、子供が失明しそうとか。

太宰治は39で死んだという。オレがもうすぐ39。
一日一篇くらいずつ読んでみる。







太宰治「苦悩の年鑑」読んだ。思想の話。


「十五年間」読んだ。
太宰はサロン的なものを嫌悪している。サロンとは。「半可通」、上品でキザな男。

「お上品なサロンは、人間の最も恐るべき堕落だ。しからば、どこの誰をまずまっさきに糾弾すべきか。自分である。」
「気が弱くてだらしない癖に、相当虚栄心も強くて、ひとにおだてられるとわくわくして何をやり出すかわかったもんじゃない男なのだから」


嘘をつく親にとことんつきあう息子の話と、そのような戦争への態度。先輩に苦しみをつづった手紙「ただちに破棄して下さい」がその通りにすぐに破られた話。空気抵抗があってはじめて鳩は飛べる、そのように自由思想は圧制と束縛へのリアクションであるという話。

オレは歌人なので、太宰のいう「サロン」を歌壇みたいなもんかと考えてみたが、オレのなかではあまりうまく重ならなかった。
オレは、自分は歌壇にふくまれていると思っている。境界は曖昧だが、その曖昧な境界の内側にいると。自分はその外側にいるから関係ないみたいな態度はできない。

上品やキザは嫌いだが、自分がそう見えてない保障はない。太宰は自分自身を糾弾した。自分のなかのサロン的なものを。







太宰治「たずねびと」読んだ。
北へ逃れていく家族。飢え。おにぎりが糸をひいてにちゃにちゃするというくだり、読んでいてつらい。ここにでてくる桃やトマトはおいしそう。







太宰治「男女同権」読んだ。
詩人だという妙な老人が、いかに女性に虐げられてきたかを講演するという内容。
なかなかたいした自虐ぶり、たいした滑稽さで、ドストエフスキーの作品世界に迷いこんでも立派にやっていけそうだ。

「東北の寒村などに生れた者には高貴優雅な詩など書けるわけは絶対に無いこと、あの顔を見よ、どだい詩人の顔ではない、生活のだらしなさ、きたならしさ、卑怯未練、このような無学のルンペン詩人のうろついているうちは
日本は決して文明国とは言えない」


太宰は老人になる前に亡くなっているが、東北の寒村というのは太宰自身が反映されているんだろう。
読んでると自分のことのようで、なんだかうれしくなってくるよオレは。

オレは高校教科書に載ってた夏目漱石の『こころ』で読書のおもしろさを知ったんだけど、小説のなかに自分に似たみじめな男がいると面白く感じていたものだ。本のなかに自分を探していた。そのころの感覚を思い出した。

でもどんなぶざまな人物でも、オレよりは立派に思える。この老詩人は、随分いろんな仕事を経験して、苦しい生活に耐えて生きているんだから。







太宰治「冬の花火」読んだ。
戯曲なんて久しぶりに読んだ。戦争のなかで生きてゆく数枝という女性に厳しい現実がおそいかかる。
父の無理解、夫の戦死の報、出刃包丁を手にして言い寄ってくる清蔵、母の病気。

東京から電車を乗り継いで苦労して青森まで帰ってくる描写が、この作品にもある。







太宰治「春の枯葉」読んだ。
これも戯曲。人物の性格がよく分かれている。堅実な人とあやしい人とで。男と女、田舎と都会、金持ちと貧乏、いろいろぶつかる。酔っぱらいの台詞まわしがよかった。

戯曲を読むたびに舞台のこまごました説明がどうしても気になる。あと、ご親切に人物について説明してくれる長い台詞。あると助かるけど「説明だなあ」と思う。

終盤に議論があるけど、これが言いたいことなんだろうか。
「罪多き者は、その愛深し」
「人間がもし自分の周囲に絶えず行われている自分に対する裏切りの実相を一つ残らず全部知ったならば、その人間は発狂するだろう」
「人間は現実よりも、その現実にからまる空想のために悩まされている」
「倫理には、正しい事と正しくない事と、それからもう一つ何かあるんじゃないでしょうかね」








太宰治「フォスフォレッセンス」「朝」読んだ。
「フォスフォレッセンス」はいいな。夢のなかに出てきた名前の響きの感じ、する。







太宰治「饗応夫人」読んだ。「饗応」が変換できておどろいた。ポンコツなスマホなのに。
女中(これは変換できなかった)の視点から、気前のよすぎる奥様が破滅してゆくさまが描かれる。






太宰治「美男子と煙草」「眉山」「女類」「渡り鳥」「グッド・バイ」読んだ。



「眉山」はなんとも苦いなあ。死んでしまうとなにもかも真面目で厳粛なものに変わってしまうというのは。



「女類」は女性蔑視の激しい笠井というキャラが強烈だ。これも女性が亡くなる。

「渡り鳥」すばらしかった。読み終わってから冒頭のダンテの言葉を読み直すとまた味わいがある。
目上にはへつらい、下と見ると素っ気なく、態度がころころ変わり、流されやすい男の話。心の中が書いてあるのがとてもいい。

「やった、やったんだ。よくあるやつさ。トイレットの中か、または横丁の電柱のかげで酔っていながら、残金を一枚二枚と数えて、溜息ついて、思い煩うな空飛ぶ鳥を見よ、なんて力無く呟いてさ、いじらしいものだよ。実は、僕にも覚えがあらあ。」

「馬鹿者はね、ふざける事は真面目でないと信じているんです。また、洒落は返答でないと思ってるらしい。そうして、いやに率直なんて態度を要求する。しかし、率直なんてものはね、他人にさながら神経のないもののように振舞う事です。他人の神経をみとめない。」




「グッド・バイ」は、なんだか漫画みたいな話だった。これも強烈なキャラがでてくる。未完だけど、あちこちでキャラをいかして事態を解決して「グッド・バイ」とささやいて回る話になるんだろう。




以上です。
んじゃまた。



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プロフィール

工藤吉生(くどうよしお)

Author:工藤吉生(くどうよしお)
仙台市在住。2011年に枡野浩一さんの「ドラえもん短歌」の影響で短歌を始めました。

▽短歌雑誌「短歌研究」「角川短歌」などの読者投稿欄、
▽新聞歌壇「毎日新聞」「日本経済新聞」「読売新聞」「河北新報」
▽テレビ「NHK短歌」
などで作品を発表してきました。

短歌結社「塔短歌会」に2012年から3年間所属していましたが退会し、現在は「未来短歌会」彗星集に所属しています。

▽角川短歌ライブラリ刊行記念「わたしの一首」コンテスト大賞受賞。
▽第57回短歌研究新人賞候補。
▽Eテレ「NHK短歌」年間大賞(2016年3月、佐佐木幸綱選)。

ゴールデンボンバーの歌広場淳さんにツイッターで短歌をほめられたことがあります。

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